前作で久しぶりにシーンに復活、健在振りを見せてくれたXTCが立て続けに送り出したこのアルバム、前作が全体的にアコースティックな質感で統一され、箱庭的な味わいがあったのに対して、オープニングの「Playground」からいきなり荒々しいファジー・ギターのリフが登場、おや?と思わせるが、直ぐにアンディ・パートリッジお得意のビートルズ-エスクなポップ・メロディが次々に繰り出されてくるのでご安心あれ。あふれ出るクリエイティビティが一気にほとばしっているのか、あれだけ充実した前作から僅か1年の間にそれに拮抗する水準の楽曲群が本作にはぎっしり詰まっていて思わず顔がほころぶ。一曲目に限らず全体的には力強いフックや骨太のギター・リフなどが印象的な曲が多く、パワーポップ的な味わいでファウンテンズ・オブ・ウェインなどに通
じる味わいなど思わぬ発見もあった。屈折気味の詞に思わずニヤリの「Stupidly
Happy」、ビートルズの「Your Bird Can Sing」を思わせるリフが楽しい「I'm
The Man Who Murdered Love」など彼ら「らしい」曲が軽めに聴けるので、あまり過去に捕らわれずにXTCを聴いてみたいという人にお勧め。(阿多)
FOSSIL
FUEL THE XTC SINGLES 1977-92
(1996, Virgin)