XTC

WASP STAR (APPLE VENUE VOLUME 2) (2000, TVT)


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前作で久しぶりにシーンに復活、健在振りを見せてくれたXTCが立て続けに送り出したこのアルバム、前作が全体的にアコースティックな質感で統一され、箱庭的な味わいがあったのに対して、オープニングの「Playground」からいきなり荒々しいファジー・ギターのリフが登場、おや?と思わせるが、直ぐにアンディ・パートリッジお得意のビートルズ-エスクなポップ・メロディが次々に繰り出されてくるのでご安心あれ。あふれ出るクリエイティビティが一気にほとばしっているのか、あれだけ充実した前作から僅か1年の間にそれに拮抗する水準の楽曲群が本作にはぎっしり詰まっていて思わず顔がほころぶ。一曲目に限らず全体的には力強いフックや骨太のギター・リフなどが印象的な曲が多く、パワーポップ的な味わいでファウンテンズ・オブ・ウェインなどに通 じる味わいなど思わぬ発見もあった。屈折気味の詞に思わずニヤリの「Stupidly Happy」、ビートルズの「Your Bird Can Sing」を思わせるリフが楽しい「I'm The Man Who Murdered Love」など彼ら「らしい」曲が軽めに聴けるので、あまり過去に捕らわれずにXTCを聴いてみたいという人にお勧め。(阿多)
FOSSIL FUEL THE XTC SINGLES 1977-92 (1996, Virgin)

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いつまでたっても新作が出ないと思ったらヴァージンとの契約解除のためストライキをしていたというんだから全くこの親父は。まぁ、何とか不利な契約から解放される運びとなり、おそらく契約の枚数稼ぎのためにリリースされたのがこのベスト盤。彼等がデビュー以来発表したシングルを時系列順に全て収録した2枚組。この人達の場合シングルになっていない曲まであれもこれもと選んでいたらきりがないからこのシンプルな構成は正解だろう。これといって貴重な曲があるわけではないが、全てシングル・ヴァージョンというのも嬉しい配慮だ。しかしこうして全31曲まとめて聴くと凄まじい満腹感を味わえる、これぞ「ブリティッシュ・ポップス」。個人的にはコリン・ムールディングの書いている曲が特に好き。アンディ親父の陰にかくれがちだが、「TEN FEET TALL」とか「WONDERLAND」といったいかにも英国流の、しっとりとしたメロディーを持った名曲は彼の作品。もっと評価されるべき優秀なソングライターだと思う。(野坂)

 

 

XTCは、ピストルズと同時期に同じ会社からデビューしたこともあり、当初はパンク=ニューウェイヴのバンドとして扱われた。加えて、アメリカでは活動の最盛期にレーベルの配給元が、ほぼ1枚ごとに、アトランティック、RSO、エピック、ヴァージン・アメリカとコロコロ変わって、ゲフィンに落ち着いたのが『ママー』のとき。今でこそ、ライヴを行わないなど浮き世離れした印象が強いものの、こうやって「化石」と化したシングル集を聞くと、日本ではポップスの職人扱いだが、その実アヴァンギャルドな方向も兼ね備えていたことがよく分かる。と同時に、このバンドがいかに「括り」に揉まれ、どのようにして音楽外の事柄で疲弊していったかという側面 も。これでレコード契約を切られた事実も、96年発売に相応しくない副題も、アナログ盤が出ないことも、それを端的に表している。どの曲もかつてさんざん聞き込んだ記憶があるだけに、余計に切ない。(鎌田)


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