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HOT100がカントリーアーティストにも門戸が開かれたことで、これまでカントリーファン以外にあまり知られることのなかったエンターテイナーたちにも注目が集まるようになったのは喜ばしいこと。しかしこれは一方で、それまでカントリーの世界だけで充足していたエンターテインメントが、外の世界の厳しい目にさらされることにもなる訳で、カントリー的には「かっこいい」とされるかもしれないが、他所から見れば「???」という事象も表出することになる。カントリー的には「ハンサムな若手シンガー」マーク・ウィルスの意欲作であるこのアルバムは「カントリー市場開放」の功罪両面
が現れた作品となっている。まず「功」が最も顕著に現れたのは圧倒的に音がよくなった点。これまでロックやR&Bの作品と聴き比べると、多くの作品で不満が感じられたエンジニアリングの問題が、この作品では解決されている。もう一点は、他のマーケットが意識されて、ポップな作品が増えた点。ヒットしたブライアン・マクナイトの「Back
To One」や、ブランディの「Almost Doesn't Count」のカバーなんて、以前は絶対に考えられなかったことだろう。しかし、このポップ化は一方でこれまでのファンを惹きつけていたカントリー臭を希薄化させる結果
も招いている訳で、保守的なカントリーファンに「日和った」と批判されてもしかたがないところ。更に一番の問題は、ジャケット写
真の「勘違いヒゲ」。これをいい男と思う人はポップの世界にもカントリーの世界にもいないだろう。結局意欲が空回りする形となってしまったこのアルバム、本当に過渡期の作品なので、これだけで評価を下すことは控えたい。彼のキャリアに今後どのような影響を与えることになるのか、不安を抱きつつ注目していきたいと思っている。
(八亀)
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