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YANKEE HOTEL FOXTROT
(2002, Nonesuch) |
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UKのフォーク・アナーキスト、ビリー・ブラッグとのコラボレーションでかのウディ・ガスリーの詞に曲を付けるという、彼らにとってもキャリアのホールマークとなったプロジェクト『Mermaid Avenue』『Mermaid Avenue II』をめでたく成功させたウィルコが次に何をやるのか、と思っていたら長年所属したリプライズとアルバム制作の方向性で対立、袂を分かちあの『Buena Vista Social Club』をブレイクさせたインディーのナンサッチへ移籍して、こんなドキドキするアルバムを出してくれた。リプライズはアルバムの内容が商業性に欠けるとの理由でリリースを拒んだとのことだが、その経緯も十分にうなずけるほど今回の彼らのサウンド作りは失敗を恐れぬ実験精神に溢れていると同時に、ウィルコを特徴づけたあのアップビートでいながらどこかもの悲しいうたを独特のポップセンスとロック的アプローチで聴かせるおなじみの曲調もそこここに見られる。音響派かはたまた現代音楽かと思われるミニマルなイントロで始まり、もの悲しげながらポップな展開を経て後半思わずレディオヘッドかと思わせるノイズミュージックへ変貌を見せる冒頭の「I Am Trying To Break Your Heart」とねじれポップ的な「Kamera」の2つのタイプの曲がこのアルバム全体のトーンを象徴している。全体を通じて適度な緊張感が持続される中、実験的なナンバーではそのテンションがぐっと高まり、レイドバックな曲ではそれがふっと緩み聴く者の心を和ませる。アルバム作りのクリエイティヴィティという意味ではおそらく成功の部類に属するであろうこのアルバム、いい意味で聴き手にチャレンジしてくる「あっぱれ」な作品だと思うし、ウィルコの新しいキャリアをスタートするにふさわしい秀作と言っていい。必聴。(阿多)
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BEING THERE
(1996, Reprise) |
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「古い皮袋に新しい酒を盛る」という言葉がある。たとえそのスタイルが伝統的でオーソドックスなものであったとしても、そこに自らの個性をにじませることのできるソングライティングの才能と、時代の息吹をとらえる感性があれば、これだけ新鮮な音を鳴らすことができるのだ。カントリーのバンドとしてスタートしたUNCLE TUPELOから枝分かれして結成されたバンドの2作目。もうこのサウンドをカントリーの一言でくくることはできないだろう。2枚組となるこのアルバムの中にはフォーク/ブルースといったルーツ・ミュージックからソウル、60年代ポップス、サイケデリック、そしてパンク/オルタナティヴまで、アメリカの大地が育んだ音楽を全て飲み込んでしまったような深い味わいがある。広い意味で「アメリカン・ロック」という言葉に少しでも反応する人なら聴いて損はない。BIG STARやREPLACEMENTSに通じるひりひりとした切なさもいい。1枚目ラストの「SAY YOU MISS ME」は個人的に昨年最も泣けた名曲。(野坂)
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