|
ELEPHANT
(2002, Third Man / V2) |

|
どうやら2003年は数年に一度のロック・シーンにおける構造変化の年となりそうだ。その切り込み隊長ともいうべき白縞の新作はUK1位、US6位という好成績。相変わらずの低予算で仕上げたザラついたサウンドに、R&Bの基本にのっとった緻密なメロディ。一聴すると何本ものギター(やベースも)が重ね録りされてるようにみえるサウンドも、ライブではギター一本で完璧に演じきってしまい、ジャック・ホワイトのギタリストとしての評価も上がる一方だ。加えてシングル「Seven Nation Army」がモダン・ロック・トラックスでも1位となって、ほぼ大衆人気も勝ち得てしまった。前作から大きな変化がないのにこの扱いの違い。以前からのファンなら今回はインパクトがない、と感じるかもしれない。しかし彼らがシーンに与えたインパクトは、今回は前作と比べ物にならないほど大きい。まあジャックがレニー・ゼルウィガーと付き合ってるというセレブ感(もう別れちゃったらしいけど)や相変わらず凝ったPVの効果もあるだろうけど。変化がないといっても前作に比べると直線的なロックンロール路線は後退し、メンフィス・ソウルを思わせる壮大なナンバーやカバー曲、さらにはマニア受けを狙った?メグのヴォーカル曲までバラエティに富んだこのアルバム、2003年のマイルストーンになるであろう大傑作。(松本)
|
|
WHITE BLOOD CELLS
(2002, Sympathy For The Record Industry/V2) |

|
ギターとドラムの2人組というのはロックバンドとして相当奇妙な編成だが、このグループはそういう編成だ。しかもゲストミュージシャンの力を借りたりせずに、2人で本当にライヴ演奏してしまうのだ。さすがにアルバムでは多重録音で音に厚みを出しているが、楽器編成は変わらない。基本的にギターとドラムス(とボーカル)だけだ(一部の曲ではピアノが入る)。よく、ギター+ベース+ドラムスで、誰かがボーカルを兼ねるというトリオ編成がロックバンドとしての最小編成だと言われるが、それより更に少ないのだ。無駄を削ぎ落としたと言うよりは、いびつ。明らかに、我々が聴き馴染んだ音ではない。プリミティブな狂暴性が、狂気が渦巻く。
とは言え曲はきちんと作られている。表現できる音の幅が狭い分を、曲作りでフォローできている。いちばん長い曲でも3分半。無駄の入り込む隙はない。音の質感にザラつきがあり、この時期に登場したストロークス、ハイヴス、ヴァインズといった連中と同じように60年代ガレージロックの再来と位置付けらる。こういうタイプのバンドを、(特にイギリスの)プレスが放っておくはずはなく、プレス〜評論家の間では非常に人気が高い。
当初、同じ姓を名乗るメンバーは姉と弟だと言われたが、実は赤の他人(但し過去に結婚→離婚歴あり)だった。あの独特すぎるルックスも含めて、何から何まで不思議な存在のバンド。(しんかい)
|