SUZANNE VEGA

NINE OBJECTS OF DESIRE (1996, A&M)

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 式場メニューでよく見かける「○と×のマリアージュ」。たいてい異なる素材を巧みに調和させた料理を指す。仏語のマリアージュとは結婚/調和の意。かくして前作でフォーク+打ち込み、という異素材の出会いを成し遂げたスザンヌ・ベガとプロデューサーのミッチェル・フルームの実生活での結婚は、彼ら2人を調和させた。今作には、前作に見られたような違和感がない。ギター一本で歌ってきたという彼女の過去もない。バックの音の厚みで、彼女の飾り気のない透き通った声も活かし切れていない。つまりこれがスザンヌ・ベガである必然性が感じられないのだ。結婚し仕事も自らの姓も変え、夫や家族の為に自らを合わせてゆく女性は多いが、それがそのままアーティストとしての仕事に現れるのはどうだろうか。前作路線の完全踏襲でも、逆戻りでも、また何かに挑戦するのでも良かった。彼女にはスザンヌ・ベガであることをもっと強く自覚して欲しかった。(宣恵)

 インダストリアル・フォークなどと呼ばれ、衝撃的な(彼女にとって)路線変更をおこなった(と言われている - 私はそれほどでもないと思うが)、前作「微熱(原題 99.9F゚)」から4年振りのSuzanne Vegaの新作を昨年に聴くことが出来るとは思わなかった。コンピレーション・アルバムやサントラへの参加があったためであろうが 、それ程インターバルを感じることがなかった。今回も、相変わらずのSuzanneらしいアルバムを聴くことが出来て、ファンとしては幸せさを感じることが出来た。今回は本人も認めているように、小さい頃から親しんでいたラテン・リズムを意識的 に取り入れているようである。また、彼女にしては珍しい官能的な歌詞もあり、10年前のデビュー時から考えると、多くの事を吸収し、自分なりに取り入れていることが感じられる。ちなみに12曲収録なのに"Nine Objects of Desire"なのは、夫、娘(彼女も母にな ったのだ!)、死についての曲がそれぞれ2曲ずつあるからだそうだ。(常盤)



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