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このグループも出張中の飛行機の中で出会った。心地よいサウンドが妙に耳に残り、グループ名を記憶していた。アイルランドはダブリン出身の5人組のデビュー・アルバム。既にシングルやミニEPを先行発売しているので待望のアルバム・デビュー、といったところ。アイルランド出身のアーティストの曲といえば、どこかマイナーコードの暗さを持った部分が特徴的だが、スリルズは違う。太陽の光を浴びながら、ウェストコースとの海辺でも散歩しているかのよう。明るく、軽く、ソフトロックのようなサウンドだ。コーラスワークもまさにソフトロック。差し詰め、ミレニアム・ミーツ・ベン・フォールズとでも言えようか。サウンド自体は、グループとしての行き詰まりをしていた頃、メンバーでアメリカ西海岸へ旅行し、数週間の滞在時に西海岸への憧れも込めて確立されたという。確かに素朴で素直な音作り。オープニングの「Santa Cruz」は、ほのぼのとしたミディアム。続く「Big Sur」は、本アルバムのベスト・テイク。軽く、優しく、語り掛けるように歌われ、メロディと歌声が砂に染み透る清水のように気持ち良く、爽快感を与えてくれる。ギターとピアノを上手く使い分け、時にファルセット・ヴォイスも駆使しながら展開されるスリル節。天気の良い日にのんびりと日向ぼっこでもしながら、ゆったりとバックを飾って欲しい。そんな心地良いアルバムだ。(小松)
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