BARBRA STREISAND

DUETS (2002, Columbia)



 40年に及ぶそのキャリアの中で、様々な企画物を出してきているバーブラだが、意外にデュエット・アルバムはなかった。かのフランク・シナトラを筆頭に多くのデュエット・アルバムが世の中に輩出されてきているが、思いがけない時期にこのアルバムは現れた。全てが新たにレコーディングされたものではなく、彼女の長いキャリアの中で蓄えられた曲群に2曲の新曲を追加したものとなっている。バーブラがデュエット曲でヒットチャートに登場しているのは8曲。その全てが本作には収録されている。全米1位に輝くニール・ダイアモンドを始め、バリー・ギブ、セリーヌ・ディオン、果てはドナ・サマーと、その時代のビッグな、また旬なアーティストとの共演をして来ている。ヒットチャートには登場しなくてもフランク・シナトラ、レイ・チャールズ等と合わせ、貴重な音源としてブロードウェイ・デビューを果たして間もない頃(63年)のジュディ・ガーランドとの掛け合いやミュージカル『オズの魔法使い』で知られる作曲家ハロルド・アーレンとの共演(67年)。新曲は、リチャード・マークスが絡み、1つはオープニングを飾るバリー・マニロウとの「I Won?t Be The One To Let You Go」。もう1曲はデヴィッド・フォスターも作曲に加わり、若きポップ・テナーであるジョシュ・グローバンに歌わせる「All I Know Of Love」。しかし、どんなアーティストと共演しても常に自分のスタイルを貫けるところがさすが、貫禄の1枚。(小松)
HIGHER GROUND (1997, Columbia)



 “アメリカ芸能界におけるバーブラの位置”というものは、外国人である我々にはちょっとわかり得ない特別なものがあるような気がする。僕がリアルタイムで知っている80年代以降の彼女は、ごくたまにしかアルバムを出さず、佳作愚作入り交じった映画に出演し、ドン・ジョンソンなんか(笑)とつきあったりする大物芸能人程度の印象でしかないのだが、マドンナがまったくのバーブラ・スタイルで映画「エビータ」の主題歌「You Must Love Me」を歌ったり、ホイットニーが90年代以降は映画がらみのレコードしか発表しなくなるなど、相変わらず“バーブラ的位置”を目指すアーティストが存在することを考えれば、彼女の影響力たるや大変なものがあると認めざるを得ない。このアルバムで取り上げられているレパートリーはセリーヌ・ディオンとのデュエット「Tell Him」などのコンテンポラリーなものから、非常にトラディショナルなポップまで幅広い。これをいつも通りのあの声で吹き込んでいるという、言ってしまえばなんてことないアルバム。でも、いつも通り大売れ。皆が目指したくなるのもわかる気がする。(八亀)


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