BRITNEY SPEARS

BRITNEY (2001, Jive)
ここでこのアルバムが買えます  ああ、やっぱりブリトニーは凄いわ。誰も知らない頃に使って時代を先取りし過ぎるのではなく、みんなが使い始める直前のタイミングで使うことで“最先端”のイメージを確立するのはマドンナが得意とする手法だが、今回のネプチューンズの起用にはそれに通じるものを感じた。ネプ製作は「Slave」のほか「Boys」もイケてるし、もちろん従来路線のダンス物は「Overprotected」、「Lonely」、「Cinderella」と充実。ややテンポを落とした「Bombastic Love」、80年代をイメージしたバブルガム・ディスコの「Anticipating」もかわいい。アイドルのお約束である素直な感動バラード「I'm Not A Girl」「When I Found You」。ミディアムテンポの導入部から、サビでベースっぽくなる、R&B界で流行りの手法を導入した「That's Where You Take Me」。そしてラストは当時付き合ってたジャスティンが作曲+プロデュースの「What It's Like To Be Me」。「I Love Rock 'n' Roll」のダサダサのカバー、悪くはないがアルバム中いちばん存在が中途半端な「Let Me Be」とロドニー・ジャーキンス作品が足を引っ張っているが、アルバムの全曲に存在する意味があり、それぞれの役割を演じている。「Sometimes」や「Lucky」路線のミディアムテンポのポップスが欲しかったが、「Anticipating」がそれに代わるオヤジキラー・トラックとなる。ボートラを含めても50分にも満たない、ちょっと物足りないぐらいの作りが、実はちょうどいい長さだというのは多くの人が認めるだろう。無駄のなさ、スキのなさ。さすがブリトニー、さすがJIVEだ。(しんかい)

 ティーンアイドルを卒業していよいよポップ・アイコンとしてのセレブ道を本格的に歩み始めたブリトニー。もう「...Baby...」「Oops!...」のような思わせぶりカマトトソングを先行シングルに持ってくることなく、いきなりネプチューンズの密室系ファンキーチューン「Slave 4 U」で勝負に出た。これがなかなかハマってて同じくネプ作品の「Boys」とともにブリトニー流ファンクネスを展開しているのは白眉。「Overprotected」「Cynderella」などのマックス・マーティン曲でのへらへらした派手音ダンスポップ+ブリトニー印の歌い回しの絶妙さもますます冴え渡っている。それでもダイド書下ろしの「I'm Not A Girl」のようなバラードできちんと少女ファンに媚びてみせるところも手堅い(映画とのタイアップというのもうまかった)。80sポップスのような軽やかさをみせる「Anticipating」はティーンポップファンにも、昨今のジャネットのようなR&B ポップを好む層にも支持されそうで実は一番人気曲かも。当時の彼氏ジャスティンの書いたデュエット曲もいかにもジャスティン調のタイトなダンスナンバーで、青春の1ページってことでご愛嬌?派手な演出が話題となった来日公演でも著しい成長ぶりを見せ、今後がますます楽しみ。(中村)
OOPS!...I DID IT AGAIN (2000, Jive)
ここでこのアルバムが買えます 99年に狙い過ぎのデビューを飾ってから約1年、時代のイコンとして君臨するブリトニーがアイドルとしてのお務めを立派に果たすセカンドアルバムが登場。とりあえずこうしたアルバムの正しい楽しみ方は一緒に歌うこと。アイドルのCDの主要購買層となる子どもたちはとにかく少ないお小遣いで買ったり念願のお誕生日プレゼントとしてもらったりしたそのCDを聴きまくる。憧れのブリトニーになりきったり、学校での自分と重ね合わせてみたりしながら一日中口ずさんでいるファンたちは当然アルバム全曲歌えてしまったりするのだろう。そうして自分が歌う叩き台としての役割を考えた時にこのアルバムの真価が見えてくる。基本的にブリトニーの楽曲は低音で歌いやすく、アイドルらしいしゃくりあげ歌唱を取り入れている(ちびっこ歌合戦荒らし時代のブリトニーはもっと腹の底から歌い上げ系だった)。リードシングルの「Oops!...」はコテコテの寸劇も挿入されるし、モテまくりの女の子の設定で「私ってそんな純情じゃないのよ」とのたまってみたりはしてみたい。世界中で「てゆーかてめぇに歌われたくねぇよ」ってかんじの女の子に歌われていると考えると寒いが。「Stronger」などのマックス・マーティン系ダンス・ナンバーは伴奏にためがあったりする部分が盛り込まれているので「キメ」の瞬間が味わえる。歌い上げないダイアン・ウォーレン曲の「When Your Eyes Say It」はつぶやくような純愛表現に切なくなってみたり。シャナイアのプロデューサーであるマット・ランジが手掛ける「Don't Let Me Be The Last To Know」などの曲は「カントリーくらいは聞くけど今の子どもが聞くようなポップスはリズムについていけない」というお父さんお母さんたちが子どもから「一緒に歌おうよー」とせがまれた時にも安心。というわけでまずは全曲歌ってみよう。(中村)

なぜかmeantime内ではアギレラの方の人気が高い。まあ歌唱力もルックスもあっちの方が良いだろうけど。しかし今の時代、社会が必要としている人材は、何事も無難にこなすジェネラリストより、一芸に秀でたスペシャリストである(らしい)。必ずしもそうじゃないと思うけど。でもJIVEはよくわかっている。何がブリトニーの「一芸」かを。それはもちろんダンス(の実力じゃなく、曲調自体のこと)。このアルバムはダンス・ナンバー主体で甘目のポップスを潜り込ませるという手法で、前作と同じ。つまりキープ・コンセプトだ。しかし音のグレードは段違いに上がっており、前作を気に入った人ならまず満足できるだろう。なまじ器用なばかりにラテン・ハウス・アダコンと、的を絞れないアギレラとの差がここにある。そして新境地ともいえるのがマット・ランジ&シャナイア・トゥエイン夫妻が書き下ろしたバラード。が、楽曲とヴォーカルの相性があまりよくなく、やや消化不良気味か。前作でもバラードの出来/ヒットともにいまいちな結果に終わったので、ここを強化したい気持ちはわかるけど、あまりのめり込んで「一芸」がおろそかにならないことを祈る。ちなみに日本盤のみ収録のジェッツ「You Got It All」のカバーは、かなり良い出来。 (松本)


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