MICHAEL W. SMITH

WORSHIP AGAIN (2003, Reunion)



 01年9月11日にリリースされ、何かにつけて取り上げられた前作『Worship』から1年。前作がチャートに返り咲く中、続編とも言うべき本作が登場した。ジャケットも前作と同じデザインで色だけを赤から青に変えただけというシンプルないでたち(おかげでしばらくは新譜とは思わなかった)。11曲の礼拝ライヴにボーナストラックを含めたスタジオ録音3曲で構成されている。基本的路線とは前作と変わらずにライヴ感も十分伝わってくるし、各楽曲共にレベル的にも及第点。むしろ、今作はスタジオ・トラックに注目したい。「Lord Have Mercy」は、ライヴ本編でも取り上げられていたが、スタジオ・テイクでは前作同様エイミー・グラントがフューチャーされたバラード。後半のゴスペル的なコーラスワークは壮大だ。続く「There I Am To Worship」は、神への信仰をシンプルな言葉で、搾り出すように歌われ、ライヴ本編に入っていないのが不思議なくらい。ラストを飾るボーナストラック「There She Stands」は、マイケルのペンによる新曲。ピアノとオーケストラをバックに歌われるスケールの大きなマイケル節のバラードだ。また、同時に発売されているDVDは、このシリーズを理解するのに最適だ。観客が共に歌い、歌う傍らで目を閉じ祈りを捧げている映像を見ていると、アルバムで執拗に繰り返されるリフレインや観客の反応の意味がわかる。聴かれる時には是非一見いただきたい。(小松)
WORSHIP (2001, Reunion)



 '00年に発売された「Freedom」に続く通算16枚目。このアルバム自体の発売は'01年なので、レビューとしてはちょっと遅れて登場。前作はインストゥルメンタル・アルバムだったが、今回はその分まで歌声を満載した「声」のアルバムであり、クリスチャン・ミュージックの原点に戻ったともいえる。フロリダはカーペンターズ・ホーム・チャーチでのライヴ・レコーディングであり、ライヴならではの躍動感と緊張感、スケールの大きさを感じさせる1枚だ。楽曲は過去のオリジナルに加え、新曲も披露し、他者の作品も取り上げている。アルバム・タイトルは「礼拝」。奇しくもこのアルバムの発売日は、世界中が震撼した'01年9月11日。マイケルの二人の娘達による聖書の引用に導かれ、この「Worship」のアンセムとも言える「Forever」。力強いクワイアーのコーラスをリードするマイケル。そのクワイアーにはエイミー・グラント、アウト・オブ・エデンなど錚々足るメンバーが名を連ねている。自作・他作を問わず、マイケルの手にかかれば全てマイケル節に変貌してしまうが、特筆すべきは、「Fallin'」('78年13位)のヒット曲を持つレニー・ルブランのペンによる神への敬虔な思いを綴った「Above All」。ライヴの後に敢えてスタジオ録音もされている。パワフルなナンバーから優しく心が洗われるようなナンバーまで。クリスチャンでなくても荘厳な思いになる、そんなアルバムだ(そして'02年、このアルバムは再び9月11日を迎え、人々に求められ、アルバム・チャートを上昇した)。(小松)
FREEDOM (2000, Reunion)



 アルバム通算15枚目にして初のインストゥルメンタル・アルバム。もともと優れたメロディ・メーカーだけにこうしたアルバムも長く望まれていたようだ。敬虔なクリスチャンで41歳という短い生涯を終えたキャロル・リー・アンに捧げられたこのアルバムは、どこかもの悲しく、また経験であり凛とした厳しさを感じさせ、また逆に大きな希望と力強さに満ち溢れたアルバムと言える。マイケルの奏でるメロディはヴォーカルの有無に関わらず、いかにもマイケルそのもの。ピアノ、ストリングス、ビート・リズム等をふんだんに取り入れ表現力を高めている。まるで映画音楽を「観て」いるかのような錯覚にとらわれる。1つ1つの音から想いうかべられる映像は、聴く者のイマジネーションによって異なるものだが、曲が転調するたびに、また曲が変わるごとに脳裏に広がる情景が変わってくる。何と言うのだろう。心が洗われる、浄化されていくというか、勇気や元気を与えられていくというか。所々に形を変えて登場する主題(メイン・メロディ)が、曲によって場面によって実にたくさんの顔を持ってアレンジされている。静かながらも重々しく始まり、壮大さを増しながらオープニングを飾る「Freedom」、ピアノのイントロからストリングスが優しく包み込む「The giving」「Prayer For Taylor」。ケルト・タイプの「Hibernia」。聖歌隊の奏でるスキャットで始まり、ラテン風のベースサウンドに乗ってドラムが入る等、今作では珍しくバンド形式で彩りを添え、これぞマイケル節とも言えるメロディ・ラインと和音をサビで聴かせてくれる「Letter To Sarah」。皆さんはこのアルバムを聴きながらどのような情景を心に描くのだろうか。(小松)
LIVE THE LIFE (1998, Reunion/Jive)



 95年の『I'll Lead You Home』に続く今やクリスチャン・ロックの大御所マイケル・W・スミスの新譜。今回の呼び物は共作陣だ。ブルジョア・タッグと3曲、ニック・カーショウと1曲。正直言ってシングルヒットを狙えるようなコマーシャルな曲はない。にもかかわらずこのアルバム全体の完成度の高さは目をみはる。メロディは「あの」マイケル節、いつ聴いても彼と分かる歌声。従来の明るく、若さあふれる躍動感のあるイメージから、しっかりと地に足をつけ重厚な趣すら感じられる。いわゆる「無駄曲」がまったくなく、なおかつ聞き終わった後の存在感は何だろう。名曲「Place In This World」から聴いているがこのアルバムは間違いなく従来のアルバムの中でも「ベスト」といえる。(小松)


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