SLIPKNOT

IOWA (2001, Roadrunner)
ここでこのアルバムが買えます  「イン・ロック」の表紙とは参ったなあ。とてもわかりやすいキャラなので、ある種のアイドルとして扱いやすいのは確かなのだが。
 イントロを経て実質アルバムのオープニングを飾る曲は「People=Shit」だ。高速ビートに乗せて「人間なんてクソ」とサビで連呼し、吠えまくる。マスクをかぶって、揃いのツナギに身を包んだ9人組。やっぱり、マンガ的だと受け止められてしまうのだろう。マリマンもそうなのだが、本人がどんなに本気でもがき、苦しんでも、聴き手にとってはそれはマンガの世界の「おはなし」でしかない。サウンドは徹底してコマーシャリズムを排して激しく、歌詞はとにかく攻撃的で暗い。多くの人は彼らをキワモノ扱いし、彼らは怒りを「演じて」いるのだと言うだろう。
 確かに、彼らがデビューから2年ほどの間にこれほどのポピュラリティを獲得してしまったのは、そのマンガ的な要素があってこそのことではある。楽曲的にも、サビぐらいは一緒に歌える「Spit It Out」「Wait And Bleed」(カラオケにも入ってる)といった作品があったし、あの頃はまだマスクにも少し「笑い」の要素があった。
 本作で、彼らは本気なのだとわかった。メロディアスなところがぐっと後退し、とにかくスピードと音圧で圧倒する。音の雰囲気はかなり違うが、「聴いていて凄く疲れる」という意味では「Badmotorfinger」から「Superunknown」あたりのサウンドガーデンに通じる。マスクも格段にグレードアップして、ホラーっぽくなった。本作を楽しみに待っていたのに、実際に出てきたものを聴いたら「なーんだこいつらマジだったのか」と冷めてしまった、という人は多いだろう(発売直後の中古盤の流通量がそれを物語る)。一方で、媚びずにハードコア路線を突き進んだことに好感を持つ人もいるだろう。
 商業的には厳しいほうの路線をあえて選んだ彼ら。私は全面的に応援するが、解散するまでに一度は音楽的にスゴいものを作っておいて欲しい。(しんかい)


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