SLAPP HAPPY

CA VA (1998, Banana / V2)



 どこにも気負いがない。けれんのない音が滔々と流れていく。ポップではあるがどこの誰にも似ていない音楽。ところがその底流には実験音楽の精神が地雷のように隠されている。聞き手がひとたび音に身を委ねると、たゆとうような音の流れに感覚はいったん捕捉され、ついで無限に解放される。他に類を見ないアルバムである。スラップ・ハッピーは71年にハンブルグで結成され、74年までに4枚のアルバムを発表し解散。以来、メンバーは主にプログレやアヴァンギャルドのシーンで活動を続けてきた。97年、ラフ・トレード・レコーズ(スミスやアズテック・カメラなどが在籍)の創始者であったジェフ・トラヴィスの肝煎りで再結成、このアルバムの製作に至った。アルバムとしては実に24年ぶりの新作である。しかしその内容たるや、そんな経緯が信じられないほど意気のあった緻密なものに仕上がっている。全く独自の世界を醸し出しているアルバムだが、敢えて比較するならロバート・ワイアットの近作に似た感触の作品。(鎌田)


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