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タルヴィン・シンは、前号のレビューで取り上げた、インド人や在英アジア人ミュージシャンによるコンテンポラリー・ダンス/ポップのコンピレーション『アノーカ』を製作したインド人ミュージシャンである。『アノーカ』の好評からタルヴィン・シン自身のアルバムが待たれていた。多くの人は『アノーカ』のような、マッシヴなダンス・ビートとインド風旋律の融合を期待していたようだが、本人はインドの先進的な環境で育ったらしく、ポップスには興味はないとインタビューで言い切っている。このアルバムでは俗っぽいインド風旋律も汗臭いダンス・ビートも抑え気味で、代わりに、デジタル・ビートと概念的ワールド・ミュージックの理詰めの融合が図られている。早い話が、ダンスフロアからはかなり距離のある音楽で、むしろ現代音楽に近い面がある。ネーネーズや坂本龍一も参加したアジア風無国籍旋律を無味無臭のデジタル・ビートで処理したタイトル曲ひとつ取っても、“私の考えるワールド・ミュージック”といった高踏的な趣がある。問題はこれをどう評価するかだが、私は、とりあえずこれをフォーテックとブルガリアン・ヴォイスの中間に位置させることにした。(鎌田)
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