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YOU'RE THE ONE
(2000, Warner Bros.) |

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意識的にワールド・ミュージックを聞いてきた者にとって、ポール・サイモンは悩ましい存在である。その意匠は各国の民俗音楽のパクリなのは明らかなのだが、それが整合感のあるメロディーと完成度の高いプロダクションと結びついてしまうと、たしかに感心せざるをえないからだ。1950〜60年代、R&Bはマイナーな音楽だった。メジャーのレコード会社は、マイナーなレコード会社から出されたR&Bの曲を白人に歌わせて、次々とチャートに送り込んでいった。その時代には歩合制のロイヤリティなど存在しないから、多くのR&Bの作者や歌手は満足な収入を得ることはなかった。得をしたのはメジャーの会社とカヴァーの白人歌手だけだった。ポール・サイモンの音楽に付いてまわるイヤな感じは、この構造を思い出させることに尽きる。白人によるR&Bカヴァーの殆どは、さすがにメジャーだけあってよく出来ていて、好きなヴァージョンも多い。だがそこには、「白人コミュニティのためのポップス」という限界も垣間見える。同様に、ポール・サイモンのお行儀の良いサウンドは、折角の自身の音楽を、「西欧人のためのポップス」の枠に押し込めているだけなのではないか。(Yaz)
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SONGS FROM THE CAPEMAN
(1997, Warner Bros.) |

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ポール・サイモン久々の新作はブロードウェイ・ミュージカルのサントラ。実話に基づいたこの物語の主人公は1959年に殺人事件を起こし史上最年少の死刑囚となった(20年後に模範囚として釈放される)16歳のプエルト・リコ出身の少年、通称“ケイプ・マン”。当時ニューヨークで少年時代を送っていたサイモンにとってこの事件はかなり強烈に印象に残ったようで、80年代後半からこの話の舞台化の計画を練っていたという。このアルバムに収録されている音楽は彼が当時街で頻繁に耳にしていたドゥー・ワップと、何ブロックか先から聞こえてきた他民族の音楽(後にサルサと呼ばれる)を元としたもの。ノスタルジックな音楽にのって、罪を犯した少年が徐々に立ち直り人間性を取り戻していく様子が愛情たっぷりに描かれている。サイモン自身もこの作品の制作に対してかなりの思い入れを持って臨んだのであろう。残念ながら舞台はいい評価を得られなかったようだが、サイモンのファンにとっては聴き逃す訳にはいかない力作である。(八亀)
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