| EXPERIENCE: JILL SCOTT 826+
(2001, Hidden Beach/Epic) |
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フィリー一派はどうもライヴアルバムが好きらしい。フィリー・ヒップホップの雄といえばルーツだが、彼らの前作も2枚組のライヴだった。今回のジル・スコットの新譜も変則2枚組ライヴ。1枚目は昨年(2001年)8月26日(タイトルの由来はここね)ワシントンDCでのライヴを中心にしたライヴで、2枚目の「+」(プラス)ディスクは、前半4曲がスタジオ録音で後半5曲がまたライヴ音源。その後長い沈黙を経てシークレット・トラックはまたスタジオ録音曲という非常に凝った構成になっている。ア・タッチ・オブ・ジャズ・プロダクション全面バックアップによる本作の一番の聴きものはやはり1枚目のライヴ音源。ジルが観客と一体になって「A Long Walk」「The Way」「Gettin' In The Way」等々すでにすっかりお馴染みとなったファーストからの有名曲を次々にジャジーで説得力のあるヴォーカルで展開、一種不思議な空間を作り上げている。ローリン・ヒルのアンプラグドもそうだったが、ジルは饒舌なMCを交えながら雰囲気を高めていく。ブラック系のライヴ盤はそういう意味で女性シンガーに限るね。
2枚目の前半では4ヒーローをフィーチャーしながら(このへんの間口の広さもこの人の魅力)完璧にジル・スコットの世界を崩さない「Gotta Get Up (Another Day)」でワンクッション置いた上で、リリシストの面目躍如たるポエム・ナンバー「Thickness」で観客とリスナーの足下を強烈に掬うジル。ここで展開されるリリックはクリーン・バージョンが必要なくらい直裁的に男女間の性愛と愛憎の織りなす世界を時にダーティな言葉でほとばしるように表現していてひたすら圧倒される。こうして2枚組の長丁場を感じさせないこの天晴れなライヴ盤はコモンとの「High Post Brotha」を経て、静かに余韻を残すエンディングへと向かうのであった。めでたしめでたし。(阿多)
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WHO IS JILL SCOTT? WORDS AND SOUNDS VOL. 1
(2000, Hidden Beach/Epic) |
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全体を通して漂うジャジーな香り漂うクールなトラックの底流を貫き、共通のテーマのように鳴り響くフェンダーローズ系のキーボードと、フィリーの女流詩人と言われるジルの語る日常の断面をある時は恋する女の、そしてある時は自分を省みない愛人に追いすがる女の視点から物語風に切り取って見せるようなリリカルな詞が強く印象に残る秀作。前評判がかなり高かった本作は、随所に歌だけでなくルースなラップやポエトリー・リーディングのようなパフォーマンスを交えつつ、タイトルが示すとおり「詞」と「サウンド」がうまーく調和した、評判に充分応える卓越したトータル感を持つ作品だ。この特徴ある70年代初期ソウル・ジャズを思わせるサウンドは彼女のブレイクのきっかけとなったルーツ人脈の影響や、タッチ・オブ・ジャズ・プロダクションの意匠によるところ大なのだろうが、彼女の表現スタイルと調和するためにこうあるべくしてこうなった、という方が納得がいく。同じオーガニック系のR&Bでもアンジー・ストーンやエリカ・バドゥなどと比べて表現するもののビジュアル性が高く感じられるのは、彼女のミュージカル女優としての経験や詩人として資質による表現力の差か。短編映画のような「Exclusively」や本領発揮の「A Long Walk」など才気ほとばしる曲満載の佳作。(阿多)
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