98年の「Good Humor」に続く2年ぶりの通算6枚目(アルバム・クレジットには5枚目とあるが95年のベストの前に3枚、その後これを合わせて3枚発表している)となるオリジナル・アルバム。作品語とに、微妙に変化をしつづけて、ここ2枚の出来には十分満足していたが、今回の変化は過去最大。前作で生楽器への移行を果
たし、温かみとおしゃれセンスをふんだんに取り混ぜた柔らかいサウンドを展開したかと思えば、今作では再び打ちこみ系が復活し、全体的なトーンもあたかもトータル・アルバム。エレクトリカルな音色をベースに、やや重めなメロディと無機質にアレンジされたサラのヴォーカルが乗るような感じ、随所に前作で展開したアコースティカルな部分も聞かれ、悪くはない。さた、97年に発表されたサラの温かみのあるソロ・アルバムから彼らの音に触れた自分としてはこの音には違和感が残る。冒頭の「Late
Morning」「Aspects Of Lambert」は、ほぼインストゥルメンタルで、静かに、冷たく流れていて、あたかもアルバム・タイトルのよう。静かに流れるような楽曲の後、異彩
を放つのはシングルとなった9曲目「How We Used To Live」。ラジオ・エディットもあるようだが、なんと9分を超え、3部作となる大曲。アコースティック・ギターに語るように始まる歌い出しから、中間のストリングスを境に、軽いリズムの打ち込みとシンセのエレクトリカル・ポップ的なバックにリズムアップ。後半、サラの囁きをキーに再び転調。ベースが弾け、ぐっとジャジーなラストへと移る。繰り返し、悪くはないと言うが前2作が好きだっただけにこの転機は残念。(小松)
CONTINENTAL
(1997, L'Appareil-Photo)
ベスト盤、リミックス集とここのところ活動停止状態だった彼等の久々の新作、かと思いきやゲイリー・ニューマンのカヴァー集に提供した曲やB面
曲も含む変則的な編集盤という形でのリリースとなった。ここしばらくは日本発売がとだえていたから、最近の活動をまとめて聴けるという意味では便利な企画ではある。まぁ彼等は現在、リリースする曲を一つも聴き逃せない、最も重要なポップ・グループであるわけで、単なる寄せ集めとはいってももちろんその内容に文句のつけようなどあるわけがない。どれをとっても極上のポップ・ミュージックだ。その中でも聴き所はリミックス集に収められていた新曲(2)(なぜシングル・カットしない!)と「HE'S
ON THE PHONE」のB面に収録されていた(6)。特に後者はクールでメランコリック、思わず涙が出るくらいの「超」名曲。今ではシングルの入手は困難だろうし、これ1曲のために2,500円出しても損はしない。さて現在はなんとタンバリン・スタジオで新作を製作中という彼等。もう来年が待ちきれない。(野坂)
CASINO
CLASSICS
(1996, Heavenly)
95年にリリースされたベスト盤に限定盤としてつけられていたリミックス集、これが好評だったため、新たに単独で発売されることになったのがこの作品。今回は今後発表されるアルバムからの曲の先取りリミックスなど曲数を増やしての2枚組。彼等が凄いのは伝統的なポップスの手法を踏襲しながら常に最新の音楽への目配りを忘れないことだ、ということは以前にも書いたが、それはここに収められたリミキサー達の顔ぶれを見れば一目瞭然だろう。ケミカル・ブラザーズ、アフェックス・ツイン、デヴィッド・ホルムズ、そしてアンダーワールド。今やビッグ・ネームとなったこうした人達がブレイクするずっと前にリミックスを依頼している、という事実は彼等のセンスの鋭さの証明である。原曲を尊重したものから全く無視したものまで様々だが、総じてクオリティは高く、テクノに興味が無い人でも楽しめるだろう。特にアンダーワールドが手懸けた「COOL
KIDS OF DEATH」の気もちよさは永遠に続いて欲しいと思うほどだ。(野坂)
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