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途中94年のベスト盤をはさんでいるものの、オリジナル・アルバムとしては「Love Deluxe」以来、実に8年という長いインターバルを置いての新譜。シャーデーといえば感情を抑えたクールかつおしゃれなアーバン・サウンド的なイメージが強く、それを期待していた部分もあるが、この新作では歌声はそのままにぐっとシンプルになった。それだけに一層メロディラインとその歌声が聴く者の中に染み渡ってくる。よくよく聴きこめばラヴァーズ・ロック(UKレゲエ)のリズムがベースに入っていたりしているが、派手な演出をすべて排除してシャーデーのヴォーカルを前面に押し出すことで切迫感を豊かにし、あたかもすぐ目の前で彼女が歌っているかのようなライヴ感がある。内容的にも傷心に浸った前作とは異なり、シンプルなラヴソング。それだけに飾らない本人に肉薄するような想いになる。オープニングでもあり、どこか温かさを感じさせる「By Your Side」は『あなたは私があなたの元を去っていくのだと思っているでしょうが、私はいつもあなたの傍にいて、慰め、勇気付けてあげる』と自信を無くした男に優しく微笑みかけてくれるような佳曲。逆に『あなたを待ちつづけ、私は悲劇の女王だわ』と肩を落とし、声を振るわせ絞り出すような「King Of Sorrow」。聴くほどに味が出るし、染み入ってくるアルバムだけど「2人」で聴くよりは「独り」の世界に入ってしまいがちかもしれない。(小松)
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