CHRIS ROBINSON

NEW EARTH MUD (2002, Redline)



 昨今になってやたらとクラシック・ロック調の新しいバンドが乱立してきているが、ブラック・クロウズはそんな時代の後押しもない中90年代を走り抜けてきた実力派バンド。そのヴォーカリストだったクリス・ロビンソンの初ソロ作。ごりごりのギターで押しまくるでもなく、音数もシンプルにゆったりと自分の言葉で語る自然体のアルバムに仕上がった。こういう作品でこそ実力が透けて見えるものだが、結果クリスの幅広い音楽への咀嚼力が際立つ作品になった。カントリー風にからっと歌う「Sunday Sound」から「Fables」でのまどろむような歌唱までいろんなスタイルを見せる。「Kids That〜」での暖かく普遍的なメロディーを歌い上げるクリスもまた新鮮かも。愛妻ケイト・ハドソンについて歌った「Katie Dear」などは一語一語愛おしげに歌い注がれる優しいまなざしが微笑ましい。ジャズ演奏に乗せてフォークシンガー風につぶやく「Untangle My Mi n d」もよくこなれてる。レア・グルーヴ調のトラックに乗せてブイブイこぶしをまわす「Ride」は一番ブラック・クロウズ風。全体的には陽光のふりそそぐような作風で、ブラック・クロウズのファンよりは70年代のシンガーソングライターの作品などを聴いている人などのほうがなじめるかも。(中村)


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