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ここ何年かアメリカの音楽のジャンルって凄く細分化されてきていて。これは対象を絞り込んで営業をしたがるレコード会社やラジオ局のマーケティング方針によるものだと思うんだけど、その結果
“論理(マーケティング・セオリー)の単純化/純粋化”のために切り捨てられた音楽って結構多くて、そういった理論や数式で解析しきれない部分、それこそがエンターテインメントの“醍醐味”と呼ばれる部分なんだけど、そこら辺が蔑ろにされてしまっているような気がする。
かつてロックといわれていた音楽は、マーケティング上の“ロック”の定義が変わってしまったために“ロック”とは呼ばれなくなり、便宜上“カントリー”や“アダルト・コンテンポラリー”に分類されてしまっている。このラスカル・フラッツも、カントリーに分類されているため、スチール・ギター等をかぶせられてそれらしい体裁を繕ってはいるが、一言でいえばリチャード・マークスタイプの“ロック”でしょう。しかもかなり良質の。曲は粒ぞろい、メンバーは若くそのルックスは素朴なボーイズバンド風。多分彼らがツアーで廻る先には、いわゆるカントリーファンではなく若い女の子たちが群がっているんだと思う。実際カントリーアーティストのライブを見ると、オーディエンスの方は日本でいうところの「歌謡曲」や「J-POP」といった感じで音楽を受け止めているみたいだし、ジャンルにこだわっているのは、それを飯のタネにしているレコード会社とメディア、そしてジャンル分けの定義を曲解したまま音楽を判断しようとしている日本人くらいなのかも知れない。とにかく90年代後半のナッシュビルシーンの底力は凄いものがあって、腕試しをしたい全米の若者は、皆ここに集まっちゃってるんじゃないか?という印象さえある。だからこんな若造バンドでも易々とこれくらいのレコードは作れる。でも日本人はこの分野に殆ど注目しない。いずれ音楽史観に重大な欠落が生じることになりますよ。
(八亀)
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