| 所謂RakimマナーはNasなど後進のMC達に多大な影響を与えた。ところが、そうしたMC達が実際に数多く世に出てRakimの影響を語っても当の本人は新作を発表しないために名前ばかりが語られて神格化が進んだ。アルバムを発表しなかった5年の間にEric B. & Rakim時代の足跡は伝説となってしまった。どんなに頑張っても数年で忘れ去られていくMCが多い実態からすれば、Rakimの存在感の大きさがわかるだろう。そこに新作の登場である。4のシンプルなトラックを聴いてみるがいい。ただそこにRakimのフロウがありさえすればよいという見事な一例である。ヒップホップにはDJが不可欠だが、MCが主役であるのが本来の姿でもある。それを改めて教えてくれるRakimの無理のない文字どおり流れるようなフロウの素晴しさ。特筆に値する秀逸なバックのサウンドとあわせて、これだけでも本作を聴く価値十分だ。もちろんRakimを理解するにあたっては、評価の大きな部分を占めるリリックについて日本盤を買うなりして出来るだけ把握に努めることが必須条件となる。(信沢)
ヒップホップファンに選ばせれば97年のカムバック・オブ・ジ・イヤー受賞確実のラキムの待望のソロアルバム。かつてEric B. & RakimというDJ+ラッパーのコンビで活動し、目立ったヒットはないものの、そのラッパーとしてのスキルは常に憧れと賞賛の対象であり、コンビ解消後のソロ作がずっと待たれていた。その期待の高さが、チャートでの初登場4位という結果に現れている。しかしベテラン実力派ラッパーというと何か渋そうな感じだが、音はめちゃめちゃ分りやすい。王道ヒップホップ。非常にメリハリがあって、何か頼もしい感じがする。ただ、(故意にやってるんだとは思うが)音作りがけっこう時代がかっていて、音だけ聴くとけっこうダサく聴こえたりするのも事実。結局、ラップという音楽を、曲ではなく「スキル」で評価するコアなヒップホップリスナー向けのマニアックな作品なのかもしれない。通常の1枚売りの他に、Eric B. & Rakim時代のベスト盤をカップリングした2枚組も出回っていて、そっちのほうが断然お得。(しんかい)
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