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Wu-Tangの頭脳RZAのソロ。過去にも変名を名乗っているが,本作では基本的に架空キャラクターBobbyをRZAがプロデュースするという形をとっている。シーンの中で少々寡黙だった最近のRZAが注力していたのはこれだった。この音の特異さはRZAの真骨頂ではなかろうか。Wu-Tangや質・量ともに充実していた一時期のソロ諸作品で感じられたあの緊張感がここにはある。次に何が出てくるのか予想がつかない,という衝動的感覚に満ちている一方でWu-Tangセカンド以降のクールに脳味噌を熱くなるような部分もある。音に対して計算が働いているようでチクハグなところも相変わらずで,こういう部分があってこそRZAではないか,と思うリスナーの期待感を満たす内容だ。また,本人が全面的にラップしているのもソロならではだが,個性は少ないもののその熱さからはこのアルバムにかけるRZAの気持ちが伝わってくるようである。変名ということである種時代の牽引役を担わされる重圧からの開放感を味わいたいがための余技かとの予想はいい意味でハズレだった。本作にはサウンドクリエイターとしては無論のこと,ラッパーとしてもRZAが正面から勝負をかけてきた作品である。(信沢)
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