KELLY PRICE

MIRROR MIRROR (2000, Def Soul)



覆面デビューで話題を呼んだケリー・プライスの2枚目はジンクスも何のその、トータル感溢れる素晴らしい作品に仕上がった。この人の強みは自分で曲も書けてプロデュースもできることだが、今回はかのシェップ・クロフォードとシャニースやメアリー・メアリー等中堅どころを手掛けて手堅い仕事で知られるウォーリン・キャンベルをメインのプロデューサーに据えて彼らに任せたのが正解。彼女の持ち味や立ち位置を充分に心得たドラマティックでかつゴージャスなトラックで全体が統一され、それに乗って(しゃれでなく)安定感たっぷりにのびのびと歌う彼女の歌声はその長い芸歴を実感させる重みを感じさせる。中でも注目はあのシャーリー・マードックの名唱「As We Lay」のオリジナルに匹敵する香り立つようなカバー。もともとデビュー曲からしてシャーリー・マードック風だったが、このはまり具合はさすがの一語。とはいっても全体濃厚になりすぎずスムーズな質感で統一されていて、R&Bラジオが泣いて喜びそうなこのアルバム、是非広く聴かれてほしいアルバムだ。(阿多)
SOUL OF A WOMAN (1998, Island)



 数多くのアーティストを日に影に支えてきたキャリアを持つシンガーのデビュー盤。ボーカルを前面に出した構成はオーソドックスだが,スロー系を並べて実力をアピールするというのもなかなか出来ることではない。また,自ら歌うだけではなく,アルバム全体のコンセプトから曲の装飾にも自ら手を加えるというプロデューサー能力もある。彼女の出自を明らかにするゴスペル調の曲を収録する一方で,ヒップホップ色,しかもハードコアに向かわずに売れ筋産業ラップ的要素を加える,というコンテンポラリーな味付けをそつなく施せるのは当代の人気アーティストとの共演によって培われた時流に乗るというセンスの現れか。ゴスペルに慣れ親しむことで培われた豊かな表現力を持つボーカルと,自分で作品をコントロールするプロデューサーとしての一面を併せ持つ彼女は「大型新人」という有体な形容もまんざらではないと思わせる実力の持ち主だ。(信沢)


copyright(c) by meantime 1998-2003 all rights reserved.
無断転載を禁じます。