PREFAB SPROUT

THE GUNMAN AND OTHER STORIES (2001, EMI/Liberty)
ここでこのアルバムが買えます  4年振りの新作では、様々な変化が起きていました。まずは、世界規模での長期レコーディング契約を結ぶのを止めたこと。次に、メンバーがとうとうマカルーン兄弟だけになってしまったこと。さらに、プロデュースにグラム・ロックの仕掛け人Tony Viscontiを迎えたこと。それら全てが良い結果に繋がっているということに、改めて彼らの凄さを感じました。前作までのプラネタリウム的サウンドから一変して、西部劇というダウン・トゥ・アースなテーマに相応しい開放感があります。バンジョーやスティール・ギターでカントリー&ウェスタン的雰囲気を出したり、ストリングスも西部劇のサントラ風ですが、あくまでも風味付け程度です。どの曲にも類まれなポップ・センスがあって、期待以上のプレハブ・サウンドに仕上がっていました。もうひとつ注目すべき点は、全10曲中5曲が他のアーティストへの提供曲であること。アルバムの表題曲「The Gunman」は、Cherの『It's A Man's World』に収められています。(真田)
ANDROMEDA HEIGHTS (1997, Kitchenware)
ここでこのアルバムが買えます 待った。前作から7年。もう新作を聴く事はないのかとあきらめかけたこともあった。それだけにこの作品に対して冷静に接しろというのは無理な話だ。「完璧」なんて最初に言ってしまうと全然レヴューとしての意味がないかもしれないけど、本当にそうなんだから仕方がない。前作では様々なスタイルの音楽を盛り込みながら、一つのコンセプチュアルな世界を構築していたが、本作はよりシンプルに、ひたすら美しいメロディーを響かせることに徹している。「バンドというよりオーケストラに近い」というパディ本人の発言通り、流れるようにメロディーを進行させていくための楽器の使い方が緻密に計算されていることがうかがえるのだが、その結果として聴こえてくるサウンドはあくまでナチュラルなのが「天才」が「天才」たる由縁である。もうあまりに素晴しくて、時の経つのも忘れてしまうくらいドップリとひたってしまう。どこまでも深くて、どこまでもロマンティック。これを聴かない人を私はポップス・ファンとは認めない。ただウェンディさんの声があんまり聴けないのが唯一の不満だけど。(野坂)
 こういうアルバムのレビューを書くのがいちばん苦しい。大傑作だと思う。めちゃめちゃ褒めたい。さてどう褒めるか。どう表現すればこの素晴らしさが読み手に伝わるだろうか。どう言葉にすれば、この音を表現できるだろうか。そして、悩んで悩んで、何となく頭の中でストーリーを作って、一気に書き上げる。だいたいこうやって私は今までレビューを書いてきた。ところが困ったことに、このアルバムは、今までレビューを書いてきたどんなアルバムよりも気に入ってしまった。何度も書き直したが、ダメだ。どうしても納得のいくものが書けない。好きなアルバムであればあるほど、レビューの文章自体にも完成度の高さを求めてしまう私なりのこだわりが邪魔をする。天にも昇る心地の極上のサウンドを聴きながら頭を悩ませて、締切間際にようやくたどり着いた結論は「すいません負けました」。ギブアップ。申し訳ないけどこれは私の文章表現力では到底及ばない、至高の大傑作だとしか言えない。(しんかい)


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