|
新人のデビュー作はファンクあり、バラードありの97年型R&Bアルバムだ。曲 を自作して歌うところは最近脚光を浴びている一連の動きと通じるものがある。 例えば70年代のStevie Wonderらを思わせる多重録音的な世界を見せたりすると ころは、かつての自作自演系ブラック・ミュージックが輝いていたころの雰囲気 を濃厚に漂わせている。美しいコーラスで空間を埋めた曲があったり、ストリン グスがフィーチャーされる曲があったり、というのもこの系統では今や珍しいこ とではないが、このアルバムが魅力的なのは回顧的な音趣味に向かっているから ではない。ピアノから始まりコーラスが続き、ファンキーなグルーブで大団円を 迎えるという盛り上がり方が素晴しい13を聴けば、生楽器の音が尊重された構成 が至福の時を生むからだ、ということがわかる。Human Ryhthm Productionとい うのも伊達ではない。(信沢)
|