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カントリー・ミュージック・アウォードでのドリパはかっこよかった。若手好青年の代表格・ブラペと共演して、MCでは浮かれて「かわいいおばさん」ぶりを見せた彼女は、演奏が始まるとプロの顔に切り替わる。疾走するアップテンポのブルーグラスをぐんぐんリードする。ジャンルは全然違うが、ボーカルのパワーでバックバンドをぐいぐい引っ張るジェームス・ブラウンみたいだ。
バンジョー、マンドリン、フィドルといったアコースティックな楽器を使ったブルーグラス。もともともっとポップな曲をやっていた彼女が、この世界に踏み込んだのは99年の「The Grass Is Blue」。各界で絶賛されたこのアルバムの続編がこれ、ということになる。とは言え単なる続編ではない。前作がカバー中心だったのに対し、今回は多くがドリー自身のペンによるもの。むしろ前作がイントロダクションで、今回が本編、と言ったほうがいいのかもしれない。
アイリッシュ・トラッド・バンドのアルタンを従えた終盤の曲の透き通るような美しさは、目を閉じればアパラチア山脈の素朴で雄大な風景が思い浮かぶ。コレクティヴ・ソウルの「Shine」や、シナトラでお馴染みの「I Get A Kick Out Of You」など意外な選曲のカバーもさらっとこなす。芸歴30年のおばさんがこれだけ瑞々しさを保ち、新しい分野に挑む姿は超リスペクト。しかもこれだけ質の高いものが出てくるんだから。ロックしか聴かない人でも、これだけ質が高ければ、下手なオルタナ・カントリーを聴くよりよほど満足できるはず。(しんかい)
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