ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK

VANILLA SKY (2001, Warner Bros.)
ここでこのアルバムが買えます  劇中で精神科医が「歳をとってジョンからポールが好きになった」と語ると、対してトム・クルーズ扮する主人公が「僕は昔からジョージだ」と答えてビートルズファンの微妙な心理を描写したり、トム・クルーズがペネロペ・クルス とディランの『フリーホィーリン』のジャケマネをしたり、ジョニ・ミッチェルの絵画をモネに伍す天才の作品と称えたり、、、と本筋とは別にしつこいくらいにロックネタを次々に出して、昔ローリングストーン誌の敏腕記者で今や映画監督であるキャメロン・クロウの趣味丸だしだったりする『ヴァニラスカイ』。まあキャメロン自身の作品だから何しようが構わないけどね。(とはいっても元々スペイン映画『Abre Los Ojos』のハリウッド版リメイクだけど)  そんな訳で今回のサウンドトラックもキャメロン・クロウの趣味丸だし、「俺のちょっと違いが分かる趣味のいい選曲を聞いてみてくれ」というごり押し感が感じられ、一歩間違えばジャイアン・リサイタルショー的強引さも否めない。「何でもいいからとにかく俺の好きな曲を聴いてくれ」ってな感じでサントラの曲もそれぞれがバラバラで全体の統一感が無い。しかし際どいところでジャイアン化を回避しているのはやはり1曲、1曲のクオリティの高さだろう。私にとって特に際立って良く聞こえたのがモンキーズの’68年の曲「ポーパス・ソング 」で同じサントラに入っているレディオヘッドの曲を凌駕する出来と感嘆するとともにこのサイケデリックな曲がキャロルキングとジェリー・ゴフィンの作品であることに2度感嘆したのでした。こういうのを聞くと音楽に新しい、古いってのは無いんだなあと改めて思ってしまう。 果てさてサントラにはキャメロン・ディアスが役名ジュリー・ジアーニで歌声を披露していたり、ハートの片割れで今はキャメロン・クロウ監督夫人であるナンシーウィルソンのインスト音楽とか他にも面白いものがあるのですが難点は印象的なラストシーンで流れていた曲が入っていないことかな。あの曲ははずせないでしょう。とにかく音楽に新しい古いは関係無いのを認識するにはいい材料かも。(田鍋)


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