BETH ORTON

DAYBREAKER (2002, Heavenly)
ここでこのアルバムが買えます  ベス・オートンの通算3作目のアルバム。思わず昨年大ヒットしたダイドのアルバムを思い出した。打ち込み音を中心としたテクノ寄りの音作りもさることながら、サラ・マクラクランを思わせる高音部分の大熱唱もそう。もちろん声質が似ているからそうなってしまうのだろうし、曲の出来もなかなか良いのだけど、聴く側としては少しお腹一杯な感も否めない。日本のラジオでもよくかかっていた、ライアン・アダムスと共演したシングル「Concrete Sky」のような爽やかなアコースティック・ナンバーの方がお似合いのように思えるのだけど。ただ、地味な弾き語りシンガー・ソングライターものは聴いていて眠くなる、なんて方にはこれくらいの方が聴きやすいのかも。ケミブラの曲に参加して知名度を挙げた人だし、日本のロックファンにも意外と支持の高い人なので、こういうアルバムの方がファンにアピールできるのだろう。余談ながら、アルバムの中ジャケはタイトルこそ太字になってるものの、クレジットから歌詞まで全て同じフォントで見開きの横一列ずらりと並んでいてとっても見にくいのが難点。(小川ボ)
TRAILER PARK (1996, Heavenly)
ここでこのアルバムが買えます  ケミカル・ブラザースのアルバムで1曲ヴォーカルをとっていた女性シンガーのデビュー・アルバム。といってもこれはテクノのアルバムではない。彼女を発掘したウィリアム・オービットやアンディ・ウェザーオールといった人達が手懸けたアンビエント・タッチのサウンドを聴かせる曲もあるが、基本的にはジョニ・ミッチェルや初期のスザンヌ・ヴェガを思い起こさせるアコースティック主体の穏やかなサウンドで、オーソドックスなシンガーソングライターの系譜に連なる人だと思う。これといってキャッチーなメロディーがあるわけでもないし、とりたてて歌がうまいわけでもないのだが、彼女の素朴で丁寧な曲作りと誠実に歌に向き合うひたむきな歌声には好感を覚える。まるで冬の日の陽差しのような柔らかで、どこかひんやりとした感触が音のすき間から伝わってくるのも気持ちいいし、この透き通るような清潔感は今どき貴重。思わず何度も手が伸びてしまう作品だし、今後の活動もすごく楽しみである。(野坂)


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