OFFSPRING

CONSPIRACY OF ONE (2000, Columbia)



 開き直り、と言っちゃ失礼かもしれないけど、今や王道路線をまっしぐらのオフスプリング。どキャッチーなリフとメロディに、ときにシリアス、ときにユーモラスな歌詞を乗せるという手法は、いまだにフォロワーが現れないほどユニークだ。本作ではプロデューサーがブレンダン・オブライエンに替わったためか、アルバム全体の音質も向上し、よりメインストリーム寄りの音作りとなった。とはいえ前作『Americana』がヒットし過ぎたせいで、もう何をやってもインパクトが薄れてしまうのがつらいところ。結局本国では前作に比べるとあまりにも控えめなセールスになってしまった。でも、ここを踏ん張るとAC/DCのような"唯一無比のワンパターンバンド"として安定した将来が待っている。ライブでの集客力は健在だし、正直言ってこのアルバムの質は結構高い。このアルバムが売れなかっただけで彼らを"ピークを過ぎた"と評価するのはまだまだ早いと思う。ちなみにシングル「Original Prankster」は、"一番マネをしたくないビデオクリップ"として史上ベスト10くらいには入るかも。(松本)
AMERICANA (1998, Columbia)



 地域性とは不思議なもので、アメリカ西南部のミュージシャンの特色として、NYやボストン出身者にはない「国境の南への憧憬」という共通項がある。古くはZZトップやライ・クーダー、最近ではベックやケークなどにその傾向が見られるが、もっとも徹底しているのがこのオフスプリング。前作のタイトルは英語とラテン語のチャンポンで、メキシコ文化お約束の骸骨などもジャケットにあしらっていた。その方向がさらに強化されたのが本作で、今回は何を思ったか、ラテン・ポップスの名作「フィーリング」をメロコアにカヴァーしてしまったし、シークレット・トラックはマリアッチだったりする。その他の曲は、前作の成功で自信をつけたのか、2〜3分台の割合ポップな曲をたたみ込むように矢継ぎ早に繰り出す代わりに、ラストの曲だけは8分の長尺で、そこだけじっくり聞かせる構成になっている。ラジオやクリップで聞くとよく目立つ「Pretty Fly」もアルバムの中ではすんなり聞かせてしまう。のは弱点でもあり、ダーッと50分通して聞いてしまうとあまり引っ掛かりが感じられないのが玉に疵。でも楽しさは5作中随一。(鎌田)
IXNAY ON THE HOMBRE (1997, Columbia)



 残念ながら、ジャケットの随所に登場する骸骨やエキゾチックなイラストの 数々、スパニッシュ・スラングのアルバムタイトル等から期待されるメキシコ趣味はサウンドから感じられない(唯一ラテンアレンジのTea For Twoが突如として登場する9があるが)。しかし、ファンキーなリズムとそれに絡むギターがJane's Additionを彷彿とさせる4や8といった曲、スカを演っている1pからバンドの名前が分からなくなる変身ぶりが見事な13などを聴くとメロコア一直線から路線転換を計ったことが如実に感じられる。前作が大ブレークし余勢をかってエピタフからコロンビアに移籍といった事実から、より一層のメジャー路線を狙ったという事前の推察はおおよそ当たっていた。ただ、Dave Jerdenをプロデューサーに迎えたこの意欲作では、彼等の音楽性が広がって楽しみが増したのも事実だ。P.S.1曲目ジェロ・ビアフラがいきなり登場するので聴き逃しのないよう。(信沢)



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