| 結成してン十年のソウルグループには全盛期のメンバーが殆ど残っていなくて看板に偽りあり、というものも多いが、肝心なのはどれだけメンバーが入れ替わっているかではなく、いかにいい仕事をし続けているかということ。その点、93年以来という久々のアルバムを発表したO'Jaysは生き残り組の中では成功を維持し続けている部類に入るだろう。セールス的に華やいでいた70年代を過ぎてからは大きく脚光を浴びる機会こそ減ったものの、あの流麗なストリングスをバックに一世を風靡したPhilladelphiaサウンドを完全に過去のものとしてうまく年輪を重ね今日に至っている姿には賞賛の言葉を送るしかない。本作でもそんな3人による三者三様のヴォーカルによる絡み合いは寄せては引く波のように様々に形を変えて耳に迫ってくる。特に不変をほこるEddie LefertとWalter Williamsのコンビネーションが発するいぶし銀のような重厚感には圧倒されるが、その裏でアルバム冒頭いきなりヒップホップ調ナンバーで驚かせ、アルバム全曲をO'Jaysのために用意するというまさに八面六日の活躍を見せたEddieの息子GeraldとEdwin "Tony" Nicholasの二人 がサウンドをクラシカルなものと今日的な要素をうまくミックスしており血縁の強さに改めて気付く。(信沢)
よく衛星で放送されるアメリカの何とかアウォードとかいう番組に、かつてのスターが功労賞を受賞してパフォーマンスを繰り広げるという場面がたびたびある。その時いつもアメリカのショウビズの深遠さを思い知らされるが、初めてこのアルバムを聞いたときもそれと同じような感想を持った。前身であるグループの結成は58年、オージェイズとしてのプロデビューは63年だそうである。個人的には、72年のフィリー・ダンサー「裏切者のテーマ」が忘れられないが、この時点で十年選手なんだから驚く。さて、本作はメンバーの一人の息子ジェラルド・リヴァート(!)の全面的バックアップによるもので、ほかにキース・スウェットも参加している。が、しかし感動の中心は親子共演でもキースの絡みでもない。キャリアに裏付けられた圧倒的な歌唱力、表現力、それこそが冒頭に挙げたような感想を漏らさせるのである。“うた”自身が持つ潜在的なポテンシャルを最大限に引き出してこちらに投げつけるような、有無を言わせぬような圧倒的な力で迫ってくる。何しろ歌そのものに一本しっかりした芯が通っている。LSGもK-Ciもこれには負ける。本年度R&B最大の収穫。(鎌田)
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