112

PART III (2001, Bad Boy/Arista)



 初登場2位。今まであれだけシングルヒットを放っていながら、アルバムのほうはトップ10にも入ったことがなかった彼ら。それが、今回いきなりこの大ヒット。これは、ひょっとしてすごくいいアルバムかも?などと勝手に想像していると騙される。いつもの112だ。まあ、確かに全体にゴージャスかつ手堅い作りで、作品を重ねる毎に大物感が増しているのは確かだが、かといって今までに比べてすごく出来のいいアルバム、ってわけではない。  いつものことながら、製作陣は豪華。アンソニー・デント(デスチャ「Survivor」)、超売れっ子マリオ・ワイナンス、ティム&ボブなど、他所でヒットを出した実績のある人しか参加していない。R.ケリー製作の「Do What You Gotta Do」は相変わらず言い訳がましい美メロバラード。  と、彼らはP.ディディがBad Boyレーベルのメンツを賭けて豪華製作陣を揃えてくれて、そのお陰でヒットを出している操り人形的なイメージがあった。実際にはメンバーのダロンが前作からぐっとソングライター、プロデューサーとして力をつけてきて、今回も先行シングル「It's Over Now」をしっかりヒットさせた。ダロン単独、あるいは他のメンバーとの共作(外部ライターの助けなし)という曲も今回は何曲もある。地味ながらもしっかり実力をつけて内政化を進める112。それでいい作品が出てこなきゃ意味ないんだが、今のところはまず成功していると言っていいだろう。  なお彼らの公式サイトはwww.one12.comと、ちょっとわかりにくい。...のはいいのだが、死ぬほど重いのには参る。これほど重いサイトはなかなかないので要注意。(しんかい)
ROOM 112 (1998, Bad Boy / Arista)



 “バッド・ボーイの良心(?)”112のセカンドアルバム。その繊細なコーラスがあちらで高い評価を得ている一方、「弱々しい」「個性がない」なんて声も聞かれたが、本作での彼らはちょっと男っぽいところも見せようとしたりして、大人の男への脱皮を画策中の様子(でもやっぱり淡白味)。ゲストに迎えたレーベルメイトたちとの相性もまずまず、若手の制作陣も張り切っていいトラックを提供している。が、問題なのが御大パフィ。彼が手がけている曲がことごとく面白くない。ショーン・コルヴィンの「Sunny Came Home」のギターをループした「Stay With Me」なんて最初の何十秒は「あ!いいアイディアだな」と思うが、作りがあまりに単調なために忽ち退屈してしまうし、他の曲もそう。112の今後の課題は“パフィが如何に引くことを覚えるか?”という非常に厄介なものになりそうだ。なお後半のスロー系が続く部分はさすが得意とするだけあって秀逸、シングルカットすればスタンダード化しそうなものもある。“スティーヴィー・ワンダー・シングズ「We're All Alone」”みたいな「Crazy Over You」には笑っちゃったけど。(八亀)
112 (1996, Bad Boy/Arista)



 Faith Evans、Total、そしてこの112と、このところ殆ど"Bad Boyだったら何でも買い"状態の僕だが、結局このレーベルの作り出すサウンドの魅力は"メロウかつファンキー"なところにあるのではないかと思っている。メロウだけでは物足りないし、ファンキーだけではクドすぎる。一見非常に滑らかそうな手触りでいて、その実強烈で独特な臭いを漂わせているようなそんな感じがこのレーベルのどの作品からも聴きとることができ、そしてそれが僕を強力に惹きつける。ロマンチックなバラードが大半を占めるこのアルバムが、ただただ甘口で緊張感のないものにならずに済んでいるのは、このレーベルが持ついい意味での「臭み」が利いているからだと思う。お馴染みのレーベルメイトThe Notorious B.I.G.(合掌)、Faith Evansらの参加も出しゃばり過ぎず地味過ぎず、アルバムに効果的な色を添えている。今後も暫くはSean"Puffy"Combsの仕事から目が離せない。(八亀)


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