| CELEBRITY(2001, Jive) |
|
BSBがヒット作の次をキープコンセプトにしたのに対し、彼らは前作『No Strings Attached』から作風を大胆に変えてきた。マックス・マーティンの曲は1曲だけで、ジャスティンが7曲、JCが3曲、クレジットに参加。バラードは3曲収録で、ジャスティンがプロデュースも行っているシングル「Gone」や、ブライアン・マクナイトのプロデュース曲、スティーヴィー・ワンダーがハーモニカで参加してる曲と個性的なラインナップ。ティーン・ポップにありがちなわかりやすいメロディは影を潜め、ハウスやR&Bに接近したチューンが大半を占めた。分厚い音づくりもやめて、その分彼らのハーモニーが前面に出るようにもした。今なら何をやっても売れる、そんな恵まれた状況の中で、あえて攻めに転じた彼ら(と、そのスタッフ)の判断は評価すべきだろう。結局前作にはかなわなかったけど、それでも十分売れたんだし(2001年内の売り上げ〜年間チャートとは別〜では3位)。ちなみにボーナス・トラック扱いの3曲は過去のヒット曲の焼き直しみたいだけど、これは前作のアウトテイクでしょう。入れない方が良かったのに。(松本)
|
| NO STRINGS ATTACHED
(2000, Jive) |

|
本作の記録的な爆発セールスで一躍トップ・ボーイズ・グループとなってしまったインシンク。RCAとの契約泥沼劇からアイドル当てまくりレーベルのJIVEへ移籍したこともあり、今回はこころもち伸び伸びと歌っているよう。そしてよくぞここまで揃った、てな豪華絢爛な製作陣がサポート。マックス・マーティン他を擁するアイドル御用達プロデューサー集団シェリオン・プロダクションの面々は「It's Gonna Be Me」などきらびやかで重厚な音をたっぷり用意。レフト・アイが参加した「Space Cowboy (Yippie-Yi-Yay )」も派手派手なエレクトロ音が楽しい。一聴してシェイクスピアとわかる「It Makes Me Ill」はデスチャ様式の早口トラック。ニュー・ジャック・スイング熱に火付け役の実績ありのテディ・ライリーはジョニー・ケンプのカバー「Just Got Paid」を使い回してはいるが、今どきこういう音を使える素材に巡りあえて嬉しそう。新進プロデューサーらに影響されてかこれまでもインシンクと組んでたヴェイト・レンまでがチキったりぴーひょろ音を入れて頑張っているのも微笑ましい。もちろんアップナンバー以外でもダイアン・ウオーレン、リチャード・マークスがそれぞれの特質を活かしたバラードを提供。テディ・ペンダーグラスをサンプリングしたミディアムR&Bチューン「I'll Be Good For You」も絶妙の緩さで器用にこなすじゃんと思わせながら、続くナンバーでアカペラを披露し歌えるんだぞとダメ押しアピール。とにかく詰め込みまくりのアルバム、ヒットする作品はこうでなきゃ。(中村)
バックスは曲が良いから聴くけど、イン・シンクは聴かないなんて人が私の周りには多い。わかってないなあ。バックスが『Millenium』で打ち出した楽曲重視路線は、すでにアイドルとしてトップに立っていたからできたこと。ではイン・シンクはどうか?BMG時代に数々のヒットを飛ばしてきたものの、なんとなく準A級アイドルというイメージはぬぐえなかった。しかも家族愛っぽいビデオクリップなどで良い子のイメージがついてしまったうえに意外と歌がうまいことで、逆に印象が弱くなる可能性もあった。98ディグリーズみたいに。しかしそこは天下のJIVE、巨額の投資で彼らを買い取ると、まずは彼らにスター性を与えることを優先した。つまり、曲の良し悪しなんて二の次。「イン・シンクは人気があるんだ」という華やかなイメージを世間に刷り込むことが先決。アルバムは分厚い音のダンス・チューンが主体で、地味なバラード曲は少ないのはそのためだ。「良い音楽とは良いメロディと良い歌詞」なんて言ってるようじゃまだまだ甘い。このアルバムを聴いて、ぱっとしない若者5人がいかにスターとして作り上げられたか、そのプロセスが読めたとき、このアルバムの、そして音楽業界の面白さがわかるのだから。(松本)
|
| 'N SYNC
(1998, RCA) |

|
Backstreet Boysの成功でヨーロッパ中心に活躍してきたアイドルグループが次々とアメリカ上陸してきている'98年。'N Syncもその流れにのってドイツでの成功を経てのアメリカデビュー。アルバムをプロデュースするのは今やアイドルポップ界のPuff Daddy になりつつあるDenniz Popに加えScatman JohnやFun Factoryなどを手がけてきたToni Cotturaなどを迎えている。当然予測されるようにアルバムはユーロ調のアイドル系ダンスナンバーで、10年ほど前のNew Kids on the Blockの全盛期を思わせる(マネージャーはNKOTBを手掛けたこともあるJohnny Wright)。カヴァー曲としてはChristopher Crossの「Sailing」をとりあげており、オーソドックスに彼らのコーラスワークの美しさを活かした仕上がりとなっている(なお、EU盤にはBoston「More Than a Feeling」のカヴァーもあり)。いつの時代もこうしたポップソングはそれなりの需要があり、はじけてハッピーな気分になるもよし、ノスタルジーにひたるもよし。ということで。(中村)
|