BILLIE MYERS

VERTIGO (2000, Universal)


ここでこのアルバムが買えます
『She's so unusual!』シンディ・ローパーの歌ではないが解説者中川五郎氏はビリーを称してそう呼んだ。大胆で自分の思うままに表現するその歌詞によるものだが、それは今作でもよりパワー・アップしている。2年前、何気に聴いたデビュー曲「Kiss The Rain」はMTVの映像と共に実に新鮮で強烈なインパクトを与えてくれた。ジャケットに達筆な毛筆で『眩暈』と題されたこの新作は、ビリーの複雑で難解ではありながら、愛について様々なスタンスで描かれ、時には宗教観さえ表現している。欲求不満を訴え、自分の居場所を見つけられずに途方にくれたり、セックスを扱った歌詞は過激だし、三角関係ならず四角関係を歌うなど、ある意味で赤面したり、頭を抱えたり…。印象的なナンバーは「Shall I Call You Jesus?」で、その歌詞『信仰の七変化。人間の虚偽。天にまします我らの父よ、名前を間違えたら私を助けてくれないの?』。今回は、サウンド面にも多少の変化が見られる。デズモンド・チャイルドとは多くのコラボレーションはしておらず、プロデュースもデヴィッド・タイソンに変わり、レゲエあり、アフリカンあり、R&Bありと実にバラエティに富んだ作りとなっている。特にオープニングの「Am I Here,Yet?」はバックトラックに「You Sexy Thing/Hot Chocolate('76 #3)」のベーストラックを使用し、インパクトのあるナンバー。キャッチーな中にも聴くほどに奥の深さが認識できるそんな1枚。(小松)
GROWING, PAINS (1997, Universal)


ここでこのアルバムが買えます
 Alanis以降の20代女性シンガーソングライターに対しては評価のハードルが1段高くなったように思う。タフでありながら魔女のような情熱も感じられる魅力的な声が印象深いBillie Myersももっと評価されてもいい1人。ドラマティックなデビューシングル「Kiss The Rain」をはじめ、アルバムタイトル通りに経験してきた痛みを感情的に伝えてくるアルバム。詩人としての才能もなかなかでセカンドシングル「Tell Me」では男性になって自分自身を抱いてみたい、という歌詞が話題に。影響を受けたのはTracy Chapman、Chrissie Hynde、Joan Armatradingというのもなるほどとうなずける。ただし楽曲はプロデューサーDesmond Childの王道ロック/ポップ路線全開で80年代的な音作りで日本の洋楽ファンにも受けがよさそう。それが鼻につくという人も少なくはないと思われるが。それでも陳腐なかんじにさせない存在感は今後の方向性次第では大きく化けるかも。(中村)


copyright(c) by meantime 1997-2001 all rights reserved.
無断転載を禁じます。