SHAWN MULLINS

BENEATH THE VELVET SUN (2000, Columbia)



とにかくこの人の声が好きで。あの出世作にして唯一のヒット曲「Lullaby」の時もあの酒枯れしたような声で呟くパートと伸びのある美しい高音のパートのギャップに参ってた。それと情景が鮮やかに浮かび上がるリリカルな詞も。で、今回もあの声を聴きたくて何の気なしに買ったこの新作、いやあ1曲目からやられましたね。この「Up All Night」やシェルビー・リンとの絡みを見せる「I Know」などいくつかの曲は前作になかった例えばスクラッチとかメロトロンとかを駆使した音の作り込みが行われていて、これがまた趣味良く処理されてるんで全体の音像の充実に貢献している。勿論「Lullaby」のパターンを踏襲する「Everywhere I Go」や、ストレートなルーツロック系の「Somethin' To Believe In」、ドン・ギブソンへのオマージュとも思える「Lonesome, I Know You Too Well」、更にはメンフィス・ソウル風の「Hold On」などアメリカン・シンガーソングライター本流を行くストライクゾーンど真ん中の曲たちの出来もよい。しかしダンカン・シークにしてもそうだけどこういう一軍半だけどいい曲と歌を聴かせるシンガーソングライター達がブレイクの後の売上が続かないのはあまりに彼らが器用すぎるためか。前作が気に入った人には文句なしにお勧め出来る佳作です。(阿多)

SOUL'S CORE (1998, Columbia)



 「ララバイ」のエアプレイ・ヒット中にチャートの集計方法が変更になり、ホット100でのヒットにもなってメジャー感が強まった彼は、ジョージア州生まれの30歳になるシンガー・ソングライターだ。既に6枚目のアルバムとなるベテランながらも初のヒットとなった本作は、自己のレーベル「SME」からのリリースで、ラジオ等の媒体を介して徐々に人気を高めたようだ。ここでは「ルックスが良い」とか「お洒落」だとかいった軟派な要素は皆無で、只ひたすらに彼の声や歌、そして演奏というものを、純粋に聴かせることに重点が置かれている。内容的にもブルース、フォーク、クラシック・ロック等を上手く消化した温故知新的な仕上がりを見せ、あの「ララバイ」ですら売れ線狙いの軽い曲に聴こえてしまうある種の重みを感じさせる(勿論ご本人も恰幅が良い)。従って本作は照明を落とした薄暗い部屋で、一人じっくり濃いめの蒸留酒でも飲みながら聴くのには最適だろう。そういった意味ではB・スプリングスティーンの『トンネル・オブ・ラヴ』なんかと近いセンスを感じる。(奥村)


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