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初めてこのコネチカット出身で南部アトランタのクラブで名を挙げたシンガーソングライター、ジョン・メイヤーのシングル「No Such Thing」をラジオで耳にした時の「おっ!」という感じはなかなか忘れられない。アコースティックとエレクトリックの絶妙なミックスの中、若くて威勢のいい頃のビリー・ジョエルとスティーリー・ダンとパワーロック指向に向かう前のデイヴ・マシューズを足して3で割ったような曲調で、洒脱なメロディーとクレバーな歌詞が都会の若者の憂鬱と醒めた感じをとてもいい感じで表現しているこの曲にノックアウトされた人も多いだろう。期待してアルバム全体を聴いても、その期待は裏切られることはない。何せ一曲一曲の楽曲としてのレベルが極めて粒ぞろいだ。第2弾シングルとなった「Your Body is A Wonderland」なんて同じく若者のアンニュイをレゲエのリズムに乗せてさらっと聴かせるあたり秀逸だし、ハリー・チェイピンとかのトルバドール系吟遊詩人的なアコースティック・ナンバー「Why Georgia」やジェイコブ・ディランを彷彿させるレイドバック・オルガン・ロックな「City Love」等々、この手の男性シンガーソングライター系が好きな向きにはしばらくCD プレイヤーが独占されること請け合い。この楽曲の充実度振りはレコード会社の争奪の末、メジャー契約したというだけあって納得できるものがあるが、満を持してリリースしたメジャー・デビューが当たっても、次の作品で躓くアーティストが多いのも確か。彼の真価は次作で確認したいが、このデビュー作の出来はただものではないレベルだけに、こいつは本物と見ていいと僕は思う。(阿多)
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