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NOW
(2001, Columbia) |

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前作で「胎内回帰」と八亀君に評されたマックスウェルが2年ぶりに放った新作であるこのアルバムでは一気にその先にイッちゃって、先行カットされたシングル「Lifetime」ではついに「転生輪廻」の世界に突入。「現世でキミとうまくいかなくても、生まれ変わった次の人生でまた一緒になれればいいね」てな感じの考えようによっては草双紙的なおどろおどろしさを秘めたこの歌に代表されるような鬼気迫るようなトランス的な部分(お家芸の悶絶ファルセットがその雰囲気に拍車を掛けている)と、ひたすら70-80年代的なR&Bグルーヴを延々とヒプノティックに展開して聴く者を酔わせる部分が危うく共存しているのがこのアルバムだ。一方例によって自ら作・プロデュースした楽曲群の織りなすそうした音世界の中に時折入ってくる覚醒的なベースのチョッパー音とか、ポコポコと入るいかにも下世話なソウル風のドラムなどが変な意味でアクセントになってたりして結構楽しい。トランス的部分の極致である、ケイト・ブッシュのカバー「This Woman's Work」での昇天度合いを聴くと、この人はやっぱりこういう風にハジけてくれなくちゃ、と安心。ジニュワインがすっかりフツーになってしまった今、初期プリンスのあの狂気を湛えたR&Bの系譜を継げるのはやっぱりこの人しかいないね。(阿多)
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EMBRYA
(1998, Columbia) |

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待望の、という言葉これほどまでにピタリと当てはまるアルバムは近年でも稀だろう。スタジオ作として2年振りとなるこの2nd。ここでも洗練された音空間にファルセットという前作で一躍脚光を浴びたMaxwellの華麗な音空間が再び見事に展開されている。ブログラミングを用いながらもギターやドラムでも生音を使い、ホーンやストリングスも導入したアコースティックなサウンドをバックにして歌われているのはいずれも濃密なラヴソング。このサウンドが実に的確にMaxwellの濃厚なファルセットボイスとマッチしている。アルバムを通してこの傾向は変らないが、ここまでやるか、と思うような自己陶酔の極みが披露される瞬間もある。そういった局面でも、聴いていて嫌味になる閉鎖的でナルシスティックな臭いがないところがMaxwellの強みであり、魅力となっている。デビュー作でのMaxwellのオリジナルな音世界を聴いた時に感じた衝撃や、Umpluggedでのライヴにおける激しさといった耳穴が開かれるインパクトはないが、聴く度に感嘆させられる作品である。(信沢)
次世代のR&Bの旗手としてその動向が注目されているマクスウェルのセカンドアルバム。この2年間にライブアルバムを含めて3枚のリリースは、この手のアーティストにしてはかなりハイペースな方だろう。シャーデーの「Smooth Operator」とマービン・ゲイの「I Want You」をかけ合わせたような(彼の音楽性を滅茶苦茶よく現わしてるな)「Everwanting」で幕を開けるこのアルバムは、彼のファーストアルバムから大きな路線変更はなくかなり内省的な雰囲気を持った作品に仕上がっている。「胎生」の意味もかけたアルバムタイトルや、水中に漂うジャケット写真などから、このアルバムのテーマは彼の胎内回帰願望なのではないか?とある程度推測はできるし、単調なビート(鼓動でしょう)に支配されたこの作品世界もそう考えれば納得はいく。しかし僕としては得体の知れない新しい才能との出会いであったファースト、そして意外なセックス・シンボルぶりを披露したライブアルバムと比べてスリルのなさに物足りなさを覚えずにいられない。マクスウェル、出ておいで。君の心の痛みを叫んでごらん。(八亀)
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UNPLUGGED
(1997, Columbia) |
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新人ということで情報量が少ないことや、あのデビュー作の艶かしい完成度の高さが災いして得体の知れない別世界の人的なイメージ(裏ジャケ写真も凄かった)もあるMaxwellだが、ライブはCD以上にとてもセクシーな雰囲気だそうである。そして登場した二作目はUmplugged。もうライブ盤として発表できるようなステージがこなせるというのだからやはり只者ではない。実際、スタジオ作でのセクシーなイメージはそのままに生々しさがグッと増加。とくにUmplugged用かは定かでないが、ここでは既発のナンバーを二曲組み合わせたり、ストリングスを効果的に活用したり、とアレンジに趣向を凝らし、ライブならではの特色が出ている。また、ライブだけのお楽しみという点では、Kate Bushの曲やファンキーなアレンジを施したNine Inch Nailsのナンバーが聴けるのも同様。特に後者での観客と一体感を楽しむ様はスタジオ録音では見せない姿で本作中一番の聴きどころ。(信沢)
「じゃ、アンプラグドでも出すか?」という台詞が業界内の決まり文句になっているのではないかと思われるほど様々なレコードがリリースされた「MTVUNPLUGGED」シリーズ。さすがに昨年あたりからは曾てのようなリリースラッシュはなくなり、ひと波超えた感があったが、「今頃出すの?」と言われかねないこの時期に敢えてUnpluggedをリリースしたのがR&B界の新星Maxwell。95年に発表された名盤「Urban Hang Suite」以降彼への注目度は増すばかりのようで、市場の要求に応える形でリリースされたこの作品はデビュー作でいきなり完成度の高いサウンドを作り上げた「Urban〜」が彼の頭の中にある音楽世界の一部をかいま見せたものだとすれば、それに肉体を伴わせたような出来上がり。ここで取り上げられた曲はその多くが「Urban〜」に収録されていたものだが、その再現にとどまらず(わざわざタイトルを変えているものもある)ライブならではのグルーブ感を付け加えることに成功している。“R&B界のLenny Kravitz”的風貌の彼の、こんなライブを早く日本でも観たいッス。(八亀)
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MAXWELL'S URBAN HANG SUITE (1996,
Columbia) |

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95年にやたらと騒がれたブラック・オルタナティブ(この言葉全然聞かなくなってしまった)から96年のニュー・クラシック・ソウルという流れの中で、またもや強力な新人が登場。『Ascension (Don't Ever Wonder)』をポップのTOP40入りさせたこのアルバムの主役、MAXWELLこそがその男。彼の綿密に作り上げられたクールなR&Bサウンドは、非常に俗な言い方をすれば「真夜中のアーバンクルージング(トホホ)」にピッタリな感じ。一見"黒人音楽好きな非黒人アーティスト(George MichaelやOriginal Love等)"っぽいアプローチにも見えるが、その実隠しきれない強烈な体臭が漂ってくる作りとなっているあたり、やはりこの男は只者ではない。今後の彼の活躍(他のアーティストのプロデュースも聴いてみたい)を期待したいところ。それにしても裏ジャケの彼の顔の濃いことといったら。僕の元同僚のさくらちゃん(26歳♀)がこういうタイプ好きなんだよなー。彼女の青森の実家にこのCD送ってあげようかしら。(八亀)
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