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BUSTED STUFF
(2002, RCA) |
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前作『Everyday』でスティーヴ・リリーホワイトからグレン・バラードに乗り換えてまんまと全米No.1アルバムをものにしたデイヴ・マシューズ。しかし没セッションの内容は前作の『Everyday』発表時からインターネットを中心にあちこちで流出。そこでデイヴはパール・ジャム的アプローチを取ってリリーホワイト・セッションから曲を選び手を加えてリリースしたのが今回のその名も『没収された代物』。未発表曲を聴きたいというのはやはりファン心理であり、殊にミュージック・ダウンロードの発展した今の時代流出をストップするよりもこういうやり方の方が損しなくていい、という彼のビジネスセンスは見事に当たり何とこのアルバムも全米No.1になった。当たってる奴は何をやっても当たるということも言えるが「あまりに曲調が暗くなったんで没にした」という前作発表時のコメントが大嘘に聞こえてしまうほどここに詰まってる曲はポジティヴであり粒揃いだ。
ちょっと聴いた感じ『Before These Crowded Streets』あたりからややスパイラル的に重たい方向に進んでいた曲調が何やら『Crash』あたりのスポーンと抜けた感じに戻ったようでもあり、また一曲一曲もジャムセッション的な最近の曲群に比べると短めでかつタイトにまとまったものが多い。久々のシングルヒットとなった「Where Are You Going」等最近の彼らの感じにないリリカルでポップな出来で、こういう曲を聴くと最近ちょっと彼らも考えすぎのところがあったのかも、とも思ってしまう。相変わらずファン泣かせのライヴ盤攻撃はこのアルバムの後も続いているが、こういうアルバムを出してくれるとそういったライヴ盤へ伸びる手もはずみが付くと言うもの。デイヴ・マシューズって誰?と言う人にも安心してお奨めできる一枚。(阿多)
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EVERYDAY
(2001, RCA) |
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本来なら今まで通りスティーヴ・リリーホワイトのプロデュースで完成する予定だったデブマの新作。しかしスティーヴに代わり急遽代役に起用されたのがグレン・バラード。とにかくセンス・楽曲・演奏とも素晴らしい人たちなので何をやっても外しようがないのだが、聴く側としての興味は、彼らが数多い持ち駒の中から何を選ぶかということ。で、ポップ色の強いグレンの意向なのか、前作があまりに暗すぎて(とはいっても評価・セールスとも上々だった)バランスをとる意味なのか、今回は割とキャッチーな曲が中心。1曲目「I Did It」のイントロを聴いただけで盛り上がってしまう。 ただし、キャッチーなのは良いけどコンパクトすぎるかな。デイヴはこのアルバムをPHAT(=脂肪の多い)と表現して、飾りの多く食べごたえのあるサウンドだと言っているけど、そういう意味では前々作の『Crush』の方がよりPHATで、このアルバムはむしろダイエット気味。もっとも本作の路線の方がより多くのリスナーにアピールするだろうし、実際商業的にも成功した。プロデューサーのグレンにとっても、かつて自分を"ポップすぎる"とクビにしたエアロの新作よりもこのアルバムがずっと売れたことで、気分も晴れたことだろう。(松本)
もともと従来から絶妙のコンビを組んでいたプロデューサーのスティーヴ・リリホワイトとのセッションで録りためた曲をオクラにして、アラニスを世に出したことで有名なグレン・バラードと組んで全曲取り直したという曰く付きの一品。以前からのファンの間では「おなじみのジャムセッションが聴けない」「曲がやたら短すぎる」「ポップに堕している」などとどちらかというと否定的な意見が多いが、ホントにそうかね?曲の長さだけが作品のクオリティを左右するわけでもないしポップ自体が悪いというのは出来の悪いジャズファンみたいでどうも頷けない。実際に音を聴いて思ったのは、確かに以前の作品群に比べてより「楽曲の作り込み具合が精緻になっている」という差だけであって、曲の本質のようなものすなわちジャズやR&Bやフォークなどを融合させてデブマ独特のファンク・グルーヴとドラマティックさを展開するというパターンは全く変わっていないように思える。既に自らの世界を確立したデブマのこと、プロデューサーとアルバム作りのアプローチを変えたくらいで表現の本質が変わるというもんでもないだろう。むしろ新たなアプローチで彼の表現力が研ぎ澄まされた感すらある。オープニングのポジティヴかつファンキーな「I Did It」、珍しく切れ味鋭いギターサウンドが主役の「Dreams Of Our Fathers」、ゴスペル的なカタルシスでアルバムを締めくくるタイトルナンバーなど、楽曲の質で期待を裏切る作品は少ない。これまでの彼の作品とは全く次元が異なると思って聴くと結構楽しめるので取りあえず聴いてみて。(阿多)
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BEFORE THESE CROWDED STREETS
(1998, Bama Rags/RCA) |
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あああぁとろけるぅ。このイントロ。無上の心地よさ。待ってて良かったよDMB。南ア出身のデイヴ・マシューズならでは、英米の音楽しか聴いていない連中には書けない本当に美しいメロディ。やっぱこいつらいいわぁ。と感慨に浸ること30秒。1曲目が唐突に終わり、骨太なファンク・リズムの2曲目になだれ込む。あれ?なんかロック的なダイナミズムを強調したスティーリー・ダンみたいだ。ジャズもワールド・ミュージックもファンクも消化し、中近東風の旋律も、ちょっと取り入れてみました的なそこいらのガキのバンドとは違って、完全にモノにしている。とにかく上手い。どうもこの辺が勘違いされて「退屈な売れ線バンド」と思われてる節もあるようだが、それは聴いての通り、単なる中傷でしかない。
ただ、前作の魅力のひとつだった美しい旋律が後退している。ダイナミックで力強く、どっしりとしたアルバムではあるが、繊細な美しさも彼等の持ち味のひとつだった筈だ。あんまりこの路線を突っ走ってしまわずに、次作あたりでちょっと軌道修正して欲しいなあ。(しんかい)
昨年の2枚組ライヴに続き、短い間隔でリリースされた本作も堂々チャートの1位に送り込んだデイヴ・マシューズ・バンド。今や全米でパール・ジャムらと共に商業的成功と確固たる支持層を誇る数少ないロック・バンドにのし上がった感がある。彼らの最大の魅力であるスワンプなんかの南部R&Bテイストを見事なまでに洗練されたロックサウンドに昇華した切れ味鋭い音世界は本作でも健在だが、リズムパターンの複雑さや各所に東洋風のメロディを挿入するなど一曲一曲の作り込み具合がいつになく重厚かつ複雑化しているのが印象的だ。また詞の内容も環境汚染が題材と思しき『Don't Drink TheWater』をはじめ、いつになく重い。要は意欲作なのだが、前々作「Crash」を思わせるゴスペル・ロック風の『Stay (Wasting Time)』などでホッとするファンとしては、若干濃厚すぎて疲れるのも事実。こういうのも悪くはないが、彼らはもっと肩の力を抜いても同じレベルの完成度の作品を十分作れると思うんだけど。2曲にアラニス・モリセットが参加。(阿多)
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LIVE AT RED ROCKS 8.15.95.
(1997, Bama Rags/RCA) |


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ここ2作の高い完成度で一気にブレイクしたデイヴ・マシューズの次のプロジェクトはいきなり2枚組ライヴときた。但しこれはタイトルにもあるように、最近ではなくて前作「Crash」の前の、デンヴァーのレッド・ロック・シアターでの2年以上前のライヴである。「Crash」での緊張感のみなぎった演奏とは若干趣を異にして、全米ツアーを重ねて今の人気を作り上げた彼ららしく、リラックスした雰囲気とタイトでファンク・テイスト溢れる手堅いパフォーマンスが存分に楽しめる。また、ジョン・デンヴァーの『Sunshine On My Shoulders』のメロをそこここに織り込むなど、地元サービスも忘れていないあたりもニヤリとする。前作でも難解ではないが独特のフックを持つ楽曲と、卓越したミュージシャンシップが素晴らしかったが、ここでもそのへんはいかんなく発揮されていて、2枚組というボリュームもあまり気にならずに聴き通せてしまう。過去のアルバムからまんべんなくやっているが、観客の反応が一定していいのは、固定ファンが多いというこのバンドならではか。ライヴでの彼らの定番というエンディングの『見張り塔からずっと』での盛り上がりを聴くと、野外で是非とも聴きたいと思う。(阿多) |
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CRASH
(1996, Bama Rags/RCA) |


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こりゃあびっくりするぐらい良質の、大人のロックアルバムである。大人の、と言っても地味とか渋いという意味ではなく、どっしりとしていて、貫禄があるという意味。ファンキーでありながら浮ついたところがない「Too Much」や「Two Step」、目の前にぱーっと何も遮るものがなく見渡す限り地平線が広がっているような気にさせるスケールの大きいバラード「Cry Freedom」なんてのは、やっぱ大人じゃなきゃできないでしょ。どの曲も非常によく練られていて、完成度が高い。演奏もビシッとシャープでメリハリが効いている。最近はうるさくて暗い音のバンドばかり売れて、そいつらに言わせればこんなバンドは保守的なのかもしれない。ところが、大人はちゃんと知ってるんだ。ロック的なエモーションを表現するのに、必ずしもギターをばりばりかき鳴らす必要なんかないってことを。確かな技術を持った「職人」の味。そう、あくまでも工場の労働者じゃなくて、職人ね。(真貝) |