J MASCIS

MARTIN + ME (1996, Reprise)

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 ギタリストでありドラマーであるJがヴォーカルをとるようになったのは、他に歌えるやつがいなかったからという消極的理由によるものだった。そんな彼も最近は歌うことが楽しくなってきた、とインタヴューで語っていたが、その言葉を裏付けるかのようにギター1本片手に小さなクラブをツアーして回った。このアルバムはそのアコースティック・ライヴの模様を収めた実況盤である。これが凄い。普通アンプラグドなどで聴かれるようにアレンジを変えたり曲のテンポを落としたりといった細工は一切無し、ギターと声だけで真っ向から曲に向き合い、バンドでの演奏にまったくひけをとらないパワーと説得力で押し切ってみせる。聴き手におもねることなく、曲の持つ本質をわしづかみにして、それを叩き付けるかのように歌い、弦をかきむしるその姿は力強く、聴く者を心地よい緊張感へ誘う。スミスの「心に茨を持つ少年」やカーリー・サイモン、レイナイド・スキナードといったカヴァーも熱い。(野坂)



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