MANSUN

SIX (1998, Parlophone)



 バンドの成長が感じられるセカンドアルバム。デビュー時は「耽美派」などと評されたものだが、その個性を残しつつもより表現の幅が深まり、アルバムを通してのストーリーテリングに重みをもたせることに成功した。収録曲も8分以上の大作が数曲あり、パート1とパート2のインタルードにはオペラと語りを挿入、本人たちは否定しているがコンセプト・アルバム的なつくりとなっている。音はシンセやサンプラーを多様したファーストに比べややシンプルになったものの楽曲のポップ性を損なってはいない。ライヴバンドとしての意識が強まった結果だろう。「Legacy」「Being A Girl」などのシングル曲はもちろんライヴ映えしそうだし「Fall Out」などの転調も面白い。それぞれバラエティに富んだ曲展開で、実験的な試みも多くみられる。低迷しがちなUKのロック界で進化しつづけようとする姿勢は評価したい。ポールの詞もUK独特のシニシズムをカンジさせ、マンサンの個性の鍵となっている。UKバンドとしての地位を確実にあげている彼ら、次作はさらにストイックな音作りになりそうで実力の問われるところ。(中村)
ATTACK OF THE GREY LANTERN (1997, EMI)



 イギリスの新人バンドでこういう耽美的なサウンド、というのは久しぶりな気がする。ここ最近の「曲」というのは、殆ど「歌」と同義語とも言えるものが主だったと思う。鼻歌でもカタチになるようなしっかりとしたメロディに、周囲をバッキングで固めたような曲だ。しかし、Mansunの方法論のベクトルは逆を向いているようだ。誰もが口ずさめる歌よりも、人にインスピレーションを与えるサウンドを目指しているように感じられる。メロディももちろん良いが、そこに重ねられる様々な音やエフェクトをもって、曲が完成されているという感じだ。アルバム内全ての詞・曲を手掛けるポール・ドレイパーは、「華やかさと刹那的な美しさの中に一種のダークな雰囲気を持っている、デュラン・デュランこそがあらゆる面でポップ・バンドの完璧な姿だ」と言うが、ライヴではパンクバンドと化すというのもぜひチェックしたいところだ。ちなみに、GREY LANTERNというのはアメリカのあるマンガの舞台である、多くの精神的問題を抱えた人々が住む町の名前で、その住民の名前はアルバム中の幾つかの曲名でもあるそうだ。(宣恵)



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