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KNOW YOUR ENEMY
(2001, Virgin) |

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また出た「前作が地味すぎたから今度はギターばりばりで原点回帰してみました」って巷のレビュー。いくらなんでも前2作をあれだけ売ったマニックスが、多少ギターを前面に出したところでデビュー当時の音に戻るわけはないんだけど。ここ数年ですっかり国民的人気バンドとなった彼らだけに、どんなに攻撃的なスタイルを纏っても、かつてのような世界中を敵に回すような無謀な切れ味は望めない。だからこのアルバムは決して原点回帰じゃないし、デビュー当時のファンに納得してもらえる代物ではないはず。その代わり、もっとスケールの大きな、余裕を持って皮肉を放つというスタイルを身につけた。シングルの「Found Your Soul」のように、ハードなギターの割に曲調やヴォーカルが穏やかな楽曲は、昔のファンにも最近のファンにも受け入れられる妥協点とも言える。そして注目はジェームズとニッキーが初めて歌詞を共作した「Ocean Spray」。日本語のMCはまあ良いとして、いつもの強烈な歌詞は影を潜め、闘病の末亡くなったジェームズの母親への、ごく個人的な感情がつづられる。マニックスがこんな詞を、なんて声もあるだろうが、彼らは上手に年をとった。このアルバムを聴くと、そう思う。(松本)
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THIS IS MY TRUTH TELL ME YOURS
(1998, Sony) |

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バンドを冷笑した記者の前で「4REAL」の根性彫りを入れて、「ファーストをNo.1にして俺達は解散する」と広言したフロントマン。現実はそううまく行かず、バンドはハイプの揶揄に晒される。そして突然のフロントマンの失踪。残された者は打ち捨てられたジグソーのピースを丹念に拾い集めながら、『Everything Must Go』という漂泊感となにがしかの決意を表した、限りなくウェットなアルバムを作り上げる。ところが残酷な現実はこのアルバムを高く評価し、デビュー時に叶わなかった全英No.1の座に押し上げる。それから2年して出されたこのアルバムも、ウェットで美しいメロディーが充満した、前作と同じ方向性を持っている。アルバム全曲を貫く“泣き”のメロディーは、情感を慈しむ作用を呼び起こし、やはりメンバーの“欠落”を連想される。それが度を過ぎると自己憐憫に陥るところだが、シリアスな歌詞がどうにかバンドを自慰作用から救っている。バンドの特異な立場が通俗から距離を保っているのである。際どいバランスの美学とでも言おうか、危うさが美しさを醸し出している。(鎌田)
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EVERYTHING MUST GO
(1996, Sony) |

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96年、英プレスでBeckと並んで最も評判の良かったアルバム。メンバーのリッチーが失踪して1年以上。死んだとか脱退したというんではなく、行方不明ってんだからタチが悪い。明日いきなりフラッと現われて、「何で俺抜きでアルバムなんか作っちまうんだよ」なんて言い出すかもしれない。だからと言っていつまで待てばいいというもんでもない。まずは、踏ん切りをつけて、3人で新しい作品を作ろうという気になったところが立派だ。そして、その成果が、この毅然とした質の高い作品だから尚更天晴れだ。ストリングスの使い方なんかが装飾過多で「マニックスらしくない」というのがファンの意見らしいが、逆に私にはこのぐらい音を作り込んでもらわないと、この平坦で伸びも艶も深みもない、痛切なだけのボーカルを聴き続けるのは辛すぎる。夜、裏通りの路地で雨でずぶぬれでボロボロになって歌ってそうな「A Design For Life」は名曲。コマーシャルだが、媚びてない。(真貝)
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