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MUSIC (2000,
Maverick/Warner Bros.) |

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問題作。前作「Ray Of Light」で苦悩路線に終止符を打った後だけにどのようなアプローチを見せてくるかが注目されたが、蓋を開けてみれば何のことはない、結局しっかりした基軸を打ち出せぬままに発進してしまったという感じである。方向性の欠如の部分をプロデュースの力でカバーしようとしているのは見て取れるが、前作からのシングル「Ray Of Light」で見せたバックの音に上手く乗った声の伸びやかさがイマイチ感じられず、かといって「The Power Of Good-Bye」のような抑えつつも力強い説得力あるボーカルも見られない。 要は彼女の最大の魅力である声とその表現力が生かされていないのである。このタイトルでラストに「American Pie」をもってきたのは見事だし(彼女がサントラ曲をオリジナルアルバムに収録するのは初めて)、個々の曲の出来自体はまずまずなだけに、勿体無い。89年の「Like A Prayer」以来のシングル・アルバム両チャート制覇にも手放しで喜ぶことが出来ず、現在彼女の進む路線が彼女の持ち味を封じる結果を生むことを心配してやまない今日このごろである。(小川ボ) |
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RAY OF LIGHT (1998,
Maverick/Warner Bros.) |

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このアルバムでのマドンナはひたすら美しい。それはジャケットの彼女の写真から見て取れる新しい生命をこの世に送り出した女性のみが体現できる一種の神々しさにも似た美しさだけでなく、彼女がほとんどソングライティングに絡んだ楽曲の醸し出す、一つの安定した世界が聴く我々の感性に投射してくるイメージがそう感じさせる。そしてその美しさは紛れもなく処女の汚れない美しさではなく、「母」としての美しさであり、円熟した魅力を感じさせるものだ。ほとんどの曲でウィリアム・オービットと組み、ドラムン・ベースなど今日的な意匠をそこここにうまく散りばめながら、彼女は母となった喜び、神への感謝、スピリチュアルな感性、そしてあいも変わらず男と女の奇妙な距離感を歌い表現している。彼女の存在感と新しい魅力がふんだんに表現されているという意味で、ここ数作の中ではかなり完成度の高い作品に仕上がっているといっていい。なおリック・ノウェルズとの共作によるラスト2曲が最近の彼女の心境を素直に表現していて好感度大。(阿多)
「ヴォーグ」まではまだよかったのだが、『エロティカ』以降のマドンナは、少なくとも音楽的には、クォリティは高いのだが、目についたコトを片っ端からつまみ食いしていると言うか、足場がしっかりしていないと言うか、どこか迷走気味のようなところがあった。もちろん、「SEX」や「エヴィータ」などの音楽以外のモチベーションがはっきりしていたために、そうした方面の問題はあまり語られなかったのだが、いちアーティスト(もちろん音楽面に限定して)としてのマドンナには魅かれることが少なくなってきた。ところが今度のアルバムは、映画でエヴァ・ペロンをやってひと段落ついたのか、ビョークにも通じる、凛とした美しさのある作品に仕上がった。ウィリアム・オービットが参加したため、アブストラクトなダンス・ポップ色で統一されているが、聞きものはむしろビートを抑えたラスト3曲(含ボーナス・トラック)の内省的な歌詞とサウンドの絡みである。極めてパーソナルなこれらの曲は、現在の女性シンガーの世界に通底する。じっくり聞く価値のある作品である。ただこういう濃密な世界を描写する歌唱力に欠けるのが問題。(鎌田)
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