LUDACRIS

WORD OF MOUF (2001, Disturbing The Peace/Def Jam South)
ここでこのアルバムが買えます  笑っていなくてもどこかコミカル。もう完全に地。アルバムジャケは頭悪そうな犬とともに札束を握り締めて「ハァー!」とこちらをにらみつけている。髪の毛なんか顔の数倍あって、「この木何の木」みたいだ。こうやって我々に「リュダ=コミカル」という図式を頭に刷り込ませる彼。卑怯だなぁ。本当は頭いいくせに。オープニングはエディ・マーフィ主演の映画『星の王子ニューヨークへ行く』のタイトルをパクったと思われる「Coming 2 America」。絶対どっかで聴いたことある有名なクラシックナンバーをカラオケに4分間まくしたて、聴く者を圧倒する。これだけでも掴みは充分。そして中盤の「Growing Pains」。ウィリアム・ベルの60年代泣きの古典ソウルを使い、仲間であるDisturbing Tha Peace(以下DTP)との今までの道のりを振り返り、「今後も俺らは仲間だぜ」なんて言ってる。ホロリとさせるじゃないか。ちなみにこの曲はDTPのアルバムにもリミックスが収録され、第1弾シングルとなっているほどリュダが大事にしている曲だ。  アルバムのプロデュースは前作『Back For The First Time』に引き続きShondrae が中心となり、それにTimbaland、Organized Noize、Swizz Beatz、KLCら外部プロデューサーが絡むという形。大きな話題はNeptunesが抜け2002年に入ってプロデュース受注件数急上昇中の南部音楽界影の功労者Jazze Phaが参加していることか。彼は歌もラップもできるし、もちろんトラックメイカーとしての才能も充分にあるので今後の大爆発は約束されたようなもんだろう。しかしあくまでShondraeに5曲作らせることでリュダのリュダたるIDを失っていない(まあ彼が参加しなければもはや"リュダクリス"として音楽作品を出す意味もなくなるとさえ思う)。こんな布陣で作られた『Word Of Mouf』なのでベタベタな南部モノばかりということはなく、逆にランチバイキングのような品数の多さが魅力。聴くだけでもかなり楽しい作品だが、クレジットを見ながらプロダクションの勉強をするのにも格好な使い勝手の良い1枚。好盤。(はまべ)
BACK FOR THE FIRST TIME (2000, Disturbing The Peace/Def Jam South)
ここでこのアルバムが買えます 南部ラップのラップシーンが成熟を見せるに従って、ヒップホップの老舗であるデフ・ジャムも南部ラッパーを売り出すべくこの度デフ・ジャム・サウスという新会社を設立。そこからの第一弾アーティストであるリュダクリスのデビューアルバムが本作。とはいえ気負いなくパーティーラップ専門のお気楽アルバムとして作られていて、南部ビギナーにも受け入れられやすい作風。シングルヒットとなった「What's Your Fantasy」ではフィーメイルラッパーのシャウナを迎えて(15曲めのリミックスではトリーナ+フォクシーも迎えて更にパワーアップ)ひょうきんな抑揚たっぷりのフロウをカマしているが、エロエロな歌詞と馬鹿に徹する姿勢(地かも)は全編から感じ取れる。有名プロデューサーも迎えているものの「リュダ節」は確立されているものらしく、極めてマイペース。オーガナイズド・ノイズのプロデュースによる「Game Got Switched」ではひょこひょこ音を効果的に使った緻密なトラックにONらしさが感じられるがアホで大味なフックがお笑い風味。ティンバランドによる「Phat Rabbit」もチキりや変態音が施されているもののやっぱりリュダのダルなフロウに耳を奪われる。「Southern Hospitality」ではスネア使いが一聴してネプチューンズのものとわかるが、元々フロア受けする音が得意な人なので一番リュダの個性としっくりきているかも。とりあえずは南部といって構えるほどでもないアルバムなので楽しむべし。(中村)


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