JENNIFER LOPEZ

THIS IS ME...THEN (2002, Epic)



 ジェニファー・ロペスの3作目。コンスタントにシングルヒットを出しており、リミックス集の発表もあったので全くご無沙汰感はないが、一応2年ぶりのオリジナルアルバムということになる。
 先行シングルの「Jenny From The Block」が大ネタ使いのキャッチーな曲だった(ちなみにこの曲についてはしんかい氏がとても分かりやすいレビューを書いてらっしゃるのでそちらをご覧あれ)ので、今回もアルバムもこれまで同様、R&B/HIP HOPとラテンが混ざり合ったポップな内容になるのかと思いきや、少しばかり肩透かし。もはやラテン・ポップは影も形もない。最近のシングルのようにラッパーをフィーチャーしたHIP HOP寄りの曲も「Jenny From The Block」と第二弾シングルの「All I Have」(LL Cool Jと共演)のシングル二曲だけ。スタイリスティックスのクラシックナンバー「You Are Everything」(ダイアナ・ロスとマーヴィン・ゲイのカヴァーが有名)をモチーフにした#4「The One」や、カーリー・サイモンのカヴァー#9「You Belong To Me」などソウルフルなナンバーがずらり。今までになく「歌を聴かせる」作品に仕上がっている。
 これまでのポップ路線が好きだった方には多少不満の残る作品かもしれないが、間違いなくブラック好きのリスナーには大いに心に響くのではなかろうか。HIP HOP発祥の地ブロンクスで育った彼女の音楽的ルーツが垣間見える意欲作。(小川ボ)
J TO THA L-O! THE REMIXES (2002, Epic)



 今のジェニファーの人気は凄い。このレビュー読んでる人だったら、え?周りにはいないよ、と反論するかもしれないけど。しかし彼女の支持層は音楽リスナーと全然別の世界にいる。VoCEとかFrauとか巷の女性誌を読んでみれば(←読むなって)、美貌と野望の権化である彼女への賛辞に溢れていることがわかるはず。だから彼女のファンは音楽性どうのこうのなんて求めない。そうは言ってもダサいイメージがついちゃいけないから、お金をかけてスタッフを集めて良い曲書かせてヒットさせる。女王様にいろんなブランドの服を着せて楽しむ。前作『j.Lo』はまさにそんなアルバムだった。そんな中「I'm Real」「Ain't It Funny」のリミックスが大ヒットしたために急遽リリースしたのが本作。言ってみれば女王ジェニファー様の着せ替え盤。前述の2曲がアルバムヴァージョンと全く異なる曲調だったため、初収録(実際は「I'm Real」は『j.Lo』の第二版に追加収録)した本作は初登場1位と、リミックス・アルバム初の偉業を達成した。実はこの2曲以外は既発トラックが多く、さらに「I'm Gonna Be Alright」はシングルではさらに別ヴァージョン(ラップが50セントからナスに差し替え)でヒットした。今となっては、さほど有り難味がないアルバムかもしれないが、お金をかけただけあってリミックスの出来は良く、ヒット曲の別ヴァージョンをまとめて聴けるという点では楽しめる。しかし唯一の新曲となるのが当時の旦那クリス・ジャッドとの共作した、大甘バラード「Alive」。別れた後もこんなのが一生残るんだから有名人は辛いなあ。(松本)
J.LO (2001, Epic)



 一昨年のデビュー作が予想以上のヒットとなったのに気を良くしたのか、早くもジェニファーのセカンド・アルバムが登場。本業の映画も立て続けに成功して追い風が吹いているためか、前作以上のヒットになっている。基本的にはR&Bを主体にハウスやラテンのトラックを何曲か入れた、前作と同じ路線。ただ、楽曲とヴォーカルの相性がいまいちだった前作にくらべると、今回はその部分がかなり改善されている。シングルになった「Love Don't Cost A Thing」や「Play」は、どちらもポップス系ライターの作曲なのだが、アレンジだけクラブ風にしている。アイドル勢がよくやる手法だけど、まあアイドル(30代だけど)みたいなジェニファーにはこっちの路線で正解か。別に歌に魅力があるわけでないし、似たような曲は他にいくらでもある、ということで、彼女自体に興味がない人はあまり買う気になれないアルバムだろうが、逆に彼女のファンなら買って期待を裏切られることはないんじゃないかな。しかし彼女の本領発揮はハウス・リミックスであることもお忘れなく。(松本)


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