GERALD LEVERT

GERALD'S WORLD (2001, Elektra)



 父親のエディ・リヴァートがいまだ現役でオージェイズを率いているもんだから、当方ではそのジュニアという感覚が未だ抜けないのだが、リヴァートからすでに10年以上経っているのであったのだね。そのオージェイズでの客演という話題もありーの、LSGというユニット結成という話題もありーの、と、なかなか充実した活動を送っているジェラルド・リヴァートの新作。LSGを挟んで前作から2年振りという、コンスタントな活動状況ではあるのだが、世間的には、ジョーやらアヴァーントやら、若手の陰に隠れてしまいがちなスタンスであったりするのもまた一面の真実。2作続けて日本盤出ないという、厳然たる事実はあるわけだし。でも、ジャケットでクマさんとツーショットしたりと、キャラはロナルド・アイズレー並みに立っていたりするので、固定客がガッチリ付いてるってのはよーくわかります。何より、このアルバムも前作に続いてベスト10入りしたし。だからまあ、R・ケリーよりもネトネトグチャグチャドロドロベチャベチャズンドコベロンチョの世界かしらと、警戒して聞いてみたんだが、イイんだわ、これが。歌を聞かせるテクニックは抜群。何よりも、若手のように不必要に力が入るところが全然ない。だから、変則チッチキ・ビート(公式名称募集中)をバックに歌っても、とってもスムース。あ〜、とろけるとろける。最近のR&Bを聞くと肩が凝るとか単調で飽きるという人は、ぜひ一度聞いてみるとイイっすよ。実は、それが弱点でもあって、スムース過ぎて引っかかりが少ないという一面もある。それと蛇足ながら、最近の若手に顕著なスティーヴィー・ワンダーの影響って、このヒトにも、ヴォーカルの節回しのテクなんかのトコに表われているのね。(Yaz)
LOVE & CONSEQUENCES (1998, EastWest)



 製作や曲作りもこなすマルチプレーヤーとしては近年でこれほど充実した作品を提供している人はいないのではと思われる活躍ぶりのGeraldが待望のリーダー作を発表してきた。製作陣は基本的にEdwin "Tony" NicholasとDarrell "Delite" Allambyの二本立てにそれぞれ本人が加わるという形をとり,それをベースにゲストが何組か絡むという構成である。この布陣からは特に真新しさはないが,これまで良質の作品を発表してきた実績は伊達ではない。ここでも歌心を生かした安定感のある仕事ぶりが光る。Geraldのヴォーカルは男の感情を様々なスタイルで表現することに長けているが,プログラミング主体のサウンドがでしゃばらずに抑制を効かせた見事なサポートを見せている。Geraldもそうしたバックの出来映えに気をよくしてか,リラックスしながらもリスナーを揺さぶるエモーショナルな歌いっぷりを披露している。98年のR&Bシーンにあってはセンセーショナルな話題を提供するものではないが,充実度は非常に高い作品である。(信沢)


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