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A WONDERFUL WORLD - Tony Bennet & k.d. lang (2003, RPM / Columbia) |

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ここ10年ほど断続的に行われているトニー・ベネットとk.d.ラングのコラボレーションは、二人の競演アルバムという成果物まで生み出してしまった。
このアルバムのテーマは「ルイ・アームストロングのレパートリー特集」。90年代の大復活後、べネットはサッチモほど極端ではないにしてもその“しゃがれ声”をトレードマークにしている感があり、そういう意味ではお誂え向きな企画といえよう。それで女性ボーカルとの共演となればこれは“21世紀版エラ(フィッツジェラルド)&ルイ”かな?なんて思ったりするのだが、実際はそのような意図はないようで、終始落ち着いたバラードで貫かれた“いやし系”のアルバムになっている。ロッド・スチュアートのアルバムでも思ったが、これは最近の流行りなのか?
プロデューサーにアコースティックなロックを得意とするTボーン・バーネットを起用していることもあり、オーケストラ・アレンジは非常に控えめ。ストリングスも要所要所のみに登場し、基本はスモール・コンボの演奏。取り上げられている曲もお馴染みのものが多いし、非常に心地いい。つい聞き流してしまいそうになるくらい。
非常に趣味のいいアルバム。ただ、僕はこのアルバムから、このところ迷走ぎみでアルバムセールスも低迷しているk.d.を、自分の顧客である年輩リスナーに紹介してやろう、というベネットの“親心”のようなものを感じてしまう。この作品の延長線上にk.d.の新たな活躍の場はあるのか?一ファンとして祈るような気持ちで見守りたい。(八亀)
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INVINCIBLE SUMMER
(2000, Warner Bros.) |

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92年の「Ingenue」の大成功以降、ポップスに大して様々なアプローチを試み、質的にはそれなりの成果を残しながらもセールス的に惨敗を続けてきたk.d.。彼女が数年前「暫くカナダの農場でのんびり過ごしたい」と休業宣言をした際は、当時僕も入会していたファンクラブの運営まで休止される徹底ぶりだったため「これは復帰まで相当時間がかかりそうだな・・」との気を強くしたものだった。でも彼女の心情(手詰まり感)はわからなくもなかったし、幸か不幸か僕が長年聴き続けているアーティストは寡作な人が多いので、5〜6年、下手すれば10 年近くのブランクは覚悟するつもりでいた。しかし予想に反して彼女は約2年ほどで現場に復帰、ニューアルバムもこうして届けられる。近年新路線で復活したマドンナを介して起用を決定したというオービットの弟子筋、ダミアン・レガシックがプロデュースを担当した本作は、k.d.が意外にも近年の新しいタイプのロックにかなり興味を持っているらしい、という印象のアルバムになっている。“らしい”と書いたのは、彼女のボーカルがサウンドから浮いてしまっているような感じが強いため。この原因は簡単には判断できないのだが、日本盤のみ収録された“新しいタイプのロック”の大家、コーネリアス(小山田圭吾)によるリミックスが「結局こういうことやりたかったんでしょ?」的仕上がりで、アルバム内もっとも出来がいいトラックとなっていることから、多分プロデューサーの人選間違いということなんだと思う。これを習作とし、近いうちにリベンジとなる作品の登場を待ちたい。彼女が有り余る才能の持ち主であることは、私、充分に思い知らされていますので。 (八亀) |
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DRAG (1997, Warner Bros.) |

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一作毎にスタイルを変え、その度に高い評価を得てきている近年のk.d.langだが、彼女の新しいチャレンジは企画物のボーカルアルバム。彼女は88年にも単身ナッシュビルに乗り込み、伝説のプロデューサーOwen Bradley及び現地の腕利きミュージシャンたちと互角に渡り合った「Shadowland」というアルバムを生み出しているが、本作はその第2弾といった趣。今回はいつものパートナー、Greg PennyやBen Minkの参加はなし、現代のジャズ・ボーカルの第一人者Cassandra Wilsonの作品を手がけたCraig Streetをプロデューサーに迎え、タバコ、もしくは喫煙者が登場する歌を集めて縦横無尽に歌いまくっている。「Shadowland」がかつてのデッカ・カントリーへのオマージュという回顧的なものであったのに対し、本作は現代最高のボーカリストの一人である彼女と、質が高く、かつ現代的なボーカルミュージックを作り出しているCraig Streetの出会いによる“New Classic Pop”ともいえる90年代ならではのボーカルアルバムとなっている。(八亀)
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