| 1997年はソウル・ファンにとって至福の1年だった。エリカ・バドゥの話題のデビューに始まり、ベイビーフェイスらとヘイリー兄弟の夢の競演マイルストーンなどおいしいイベントが相次いだが、その1年を締めくくるのが今最も油ののったこの3人のプロジェクトだとは。この顔合わせだけで興奮ものだ。それぞれ実績もあり独自の世界を確立しているアーティストだけに競演で充分に個性が出ないのではという危惧は全くの杞憂。3人がそれぞれソロを取り、このプロジェクトでの自分の存在感を示しにかかる1曲目の『Door #1』からスウェット作のとろけるようなナンバー『Where Would We Go』まで、3人の個性が渾然一体となった芳醇な世界が広がる。特に今最もホットで年長でもあるスウェットがやたら目立つでもなく、レヴァートとの絶妙のコンビでトータル感溢れるプロデュースに成功している。フェイス・エヴァンスなどの素晴らしい客演もあり、このアルバム、間違いなく97年、いや90年代を代表する傑作である。なお、先日最近音から遠ざかっている80年代来のソウル仲間数人にこれを聴かせたところ、最初の数小節でみんな目尻とほっぺたが緩んでしまった。いい音楽とはかくもパワフルなものなんである。(阿多)
Gerald Levert、Keith Sweat、Johnny Gill。キャリアも現在のシーンでのポジションも勢いも異なる3人が組んだらどうなるか。好事家ならずとも少しでもR&Bに関心がある方ならばその成果が気になるところであろう。この顔触れは「ドリームチーム」成りえたのか。サウンド面ではLevertとSweatの貢献度が高いのは想像がつくだろう。一方のヴォーカル。旬のMCら豪華なゲスト陣が加わっている。だが、昨今の傾向とはいえこの3人に加わる必然性は感じられない。3人のヴォーカルは、1曲を1人が独占、というような誰かが突出した場面はなく、代わる代わる前に出るという非常に民主的な運営がなされている。もちろん、各々ソロで実績を残している3人である。ヴォーカルパートをきっちり分担したパーマネントのコーラスグループとは違った、リードを取れる3人による非常に贅沢な声の絡みが味わえる。3 人とも妙に気張るところもなく非常にリラックスした雰囲気の中にあり、これを耳で感じるためだけでも手に入れる価値のあるアルバムである。(信沢)
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