KURUPT

SPACE BOOGIE: SMOKE ODDESSEY (2001, Antra)



 ドッグ・パウンドとしてのデビュー作は全米No.1、ソロデビュー作「Kuruption!」もトップ10ヒット。99年の前作「Tha Streetz Iz A Mutha」は31位と奮わなかったが、それは年末商戦のまっ直中にリリースしてしまった為に相対的に順位が伸びなかったもの。で、今回も初登場10位というヒット。と、セールスの数字だけを見ていると確実に人気を確立しているように見えるのだが、どうしても「西」限定の人気で、東や、アメリカ以外では全然相手にされてないんじゃないかという気がしていた。だから英NME誌の年間ベストアルバム50選の中に選ばれていたのには驚いた。
 奥さんとなったブラック・アイヴォリーのナティーナをフィーチャーした1st シングルは可愛い感じの曲だが、全体はファンク・フレイヴァーが漂う。紛れもない西の音。ダズ・ディリンジャー製作曲なんか久しぶりに「G-ファンク」という呼称を使いたくなる。DJリーサル+フレッド・ダーストとの共演はちょっと意外性があったが、スヌープ、ネイト・ドッグ、エグジビット、DJ クイックなどなど他のゲスト陣はコテコテに西の人々。なるほど、これは良く出来ている。90年代前半までのDr.ドレ周辺の音が好きな人にお勧め。  ただ、アルバムタイトルはP-FUNKの胡散臭さを思わせるのだが、ああいういかがわしさは全然なく、むしろ小奇麗にまとまり過ぎているのがちょっと物足りなかったりする。もう少しイッちゃっても良かったんじゃないかなあ。(しんかい)
KURUPTION! (1998, Antra / A&M)



 デビュー作を全米No.1に送り込んだドッグ・パウンド。片割れのダズ・ディリンジャーはその後プロデューサーとしても活躍していたが、もう片方のクラプトはそのまま消えてしまったのかと思ってた。が、98年になってこの2人が相次いでソロを出し、どちらもトップ10ヒットになってしまった。うーん未だに人気があったとは。20曲入り2枚組で、それぞれにEast/West Coastと副題がついている。東西それぞれから製作陣を迎え、両方にアピールするような作りにしている...つもりなんだろうけど、何しろ大したラッパーではないので退屈なことこの上ない。変に奇を衒ってないのでそこそこの水準はクリアしているものの、あまりにも平凡で全然耳に残らない。新聞を模したジャケの中にクラプト自身の言葉がある。"one CD for the West Coast and one CD for the East Coast. So everybody has their own record." 所詮彼の世界には西と東しかない。彼にとってのeverybodyに、海を挟んだ遥か彼方の我々は含まれていない。(しんかい)


copyright(c) by meantime 1998-2003 all rights reserved.
無断転載を禁じます。