KISS

SYMPHONY: ALIVE IV (2003, Kiss / Sanctuary)



 『ALIVE』も4作めとなると食傷気味になるところが、今回はいつもの奴とはちょっと違う。今春の来日公演直前(2/28/03)のオーストラリアTelstra Domeでのメルボルン交響楽団とのスペシャルライブを収めた2枚組。1部が従来のライブ、2部がメルボルンシンフォニー弦楽アンサンブルとのアコースティックパート、そして3部が60名構成のメルボルン交響楽団との共演の3部構成。ギターはAceに代わって新加入したTommy Thayer。
 スリリングかつゴージャスなオーケストラ伴奏により、ショーの派手さも会場の興奮度も従来の数倍増。当初、アンザンブルやオーケストラの伴奏を活かしきれてないアレンジに疑問といらだちを感じたが、進行とともに、このロックンロール・パーティは頭で聴くのではなく、身体や感性で楽しむものであるということに納得させられてしまう。このショーが日本で実現されなかったのはホントに残念。本作から彼らが設立した新レーベルSanctuary Recordsよりリリースされる。5万セット限定デジパック仕様のデラックス版の他、DVDでもリリースされているので、楽団員やコーラスの子供達が皆KISSメイクで登場している映像はそちらでどうぞ。(菅沼)
PSYCHO CIRCUS (1998, Mercury)



 自国人なら誰でも知ってるが、外国人にはほとんど分からないものの一つに、人気TVの知識という厄介なモノがある。アメリカ文化万歳のわが国ですら、最近でこそ「X-ファイル」やら「ER」とか、深く静かに支持が高まっているが、これがコメディとなると、ビリー・クリスタルもクリス・ロックも知られていないありさまである。そんな“アメリカ人だけのお笑い基礎知識”の一つに「スパイナル・タップ」という架空のバンド物語がある。あるメタルバンドの盛衰を綴った、早い話が“アメリカ盤ラトルズ”。これを見て、アメリカ人はメタルに“お笑い”のフィルターをかけるようになってしまった。つまり、メタルは“自分を笑う”ことを余儀なくされたのである。これに耐えられなくなったバンドは脱落し、メタルは盛衰していった。その中で、キッスは自分を笑うことを自覚してしぶとく生き残った。アメリカ人のキッスに対する思い入れには、例えば志村けんのように「まだあんなコトやってる」という敬意が込められている。このアルバムにも「ドリフ大爆笑」のような、少年期の記憶を呼び戻す普遍的な快感がある。(鎌田)


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