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CHOCOLATE FACTORY
(2002, Jive / Zomba) |

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私生活ではセックス・スキャンダルの嵐に揉まれながらもきっちりエロ系作品で実力を発揮し続けるR.ケリー。かつての秘蔵っ子スパークルには裏切られたが、ニヴェアやシリーナ・ジョンソンらが「彼の仕事の才能は本物」と絶賛しているのも心強い。そしてこの作品「Chocolate Factory」もアルバムチャート1位に送り込み、改めてR&BファンのR. Kelly印ブランドへの確固たる信頼を証明。本作でも既に「Ignition」「Snake」といった良質のシングルヒットも生まれており、繊細かつ濃密なR&B世界を甘美に展開している。なお、この作品の前に「Loveland」というアルバムが完成していたが音源流出によりポシャっている(初回限定のボーナス・ディスクはこの作品からの7曲)。臆面もなくたっぷりとタメを効かせて激唱する「You Made Me〜」や、マイケル・ジャクソン風に盛り上げまくる展開の「Imagine That」などでは王道の歌いこみ系の楽曲では流麗なメロディーにどっぷり浸れる。ロナルド・アイズレーとの「Showdown」ではお馴染みの寸劇入れまくりで、ファンなら「またか」とほくそ笑んでしまうはず。70sソウルの幸せなフィーリングが伝わってくる「Dream Girl」や「Forever More」のさり気なさも美しい。ジャ・ルールを迎えたミディアム「Been Around The World」ファット・ジョーを迎えたラテン風味の「Who's That」なども手堅い。R.ケリー工房から丹精込めて作られたチョコレートの一粒一粒をじっくりご賞味あれ。(中村)
音楽活動よりも、未成年者とのわいせつ行為疑惑の方で世間をお騒がせしているR・ケリー。当初『Loveland』としてアルバムリリースされる予定だったオリジナルマスター音源がインターネットで流れてしまいレコーディングし直すというハプニングの後リリースされたアルバム『Chocolate Factory』はアメリカで200万枚のセールスを獲得。ここからは「Ignition」とビッグ・ティガーをフィーチャーした「Snake」がシングルカットされ、「Ignition」はHot100で最高位2位、「Snake」は最高位16位を記録。「Showdown」やファット・ジョーをフィーチャーした「Who's That」を耳にすると「今回のアルバムは怪しい曲ばかり」と早合点するかもしれない。ところがタイトルトラックの「Chocolate Factory」をはじめとする70年代ソウルを彷彿させるサウンドを耳にすると、思わず体が動いてしまうだろう。さらに今年の8月にアメリカで行われたツアーで会場が一つになって盛り上がった「Ignition(Remix)」や「Step In The Name Of Love (Remix)」も収録されたこの『Chocolate Factory』。良質のソウルミュージックを聴きたいあなたにお勧めだ。(かん)
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THE BEST OF BOTH WORLDS
- R. Kelly & Jay-Z (2002, Roc-A-Fella/Def Jam) |

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R&B界代表R. ケリーとヒップホップ界代表ジェイZ。この2人が数度の共演を通じて意気投合、遂にタッグを組んでアルバムをリリース!それぞれのオリジナル作ではゲストも豪華に揃えるが、今回はリル・キムとビーニー・シーゲル、デヴィン・ザ・デュードくらい。プロデュースもR. ケリー本人とトラックマスターズだけで殆ど仕上げてしまっている。しかしこれが裏目に出て似たような曲調のものが多くなってしまったのが残念。とはいえスムーズな歌とキャラの立ったラップが織りなす音世界はきちんと相乗効果を発揮しているのでまずは成功?ジェイZはふてぶてしく無軌道なフロウが相変わらずだが、R. ケリーはあまり歌い上げずウィスパリングヴォイスで囁くような歌唱がメイン(唯一「Naked」はジェイZの出る幕なしに歌いこんでいるが)。思えばR. ケリーはフロア受けする曲の時はエロキャラ、ポップとのクロスオーバー狙いの時はマジキャラの人なので今回はエロに徹したのかも。今回も「It Ain't Personal」ではアイズレーねたを出してきているが、「Green Light」はロック風のギターをフィーチャーしたり、「 Honey」はビージーズをサンプリングしたりとちょっと冒険。ところでこのアルバム制作のきっかけとなった2人の共演曲「Guilty Until Proven Innocent」はジェイZのランス・リヴェラ刺傷事件の無罪を表明する曲だったのに、このアルバム発売直後にセックス・スキャンダルが勃発したR. ケリーとのツーショット写真の掲載を拒み続け、事件についても「有名になると色々あるからな」(肯定に聞こえるって)とか言ってるジェイZって・・・。(中村)
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TP-2.COM
(2000, Jive) |

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前作2枚組の大作『R.』で延々と愛の営みを聴かせたR.ケリーが、さすがに今回はシングルアルバムで登場。しかしこのタイトルは唐突感があるというか何というか。本人の説明によると、あのエロエロ大作『12 Play』の続編という意味らしいけど何でドットコム?「Like A Real Freak」では「さあインターネットにアクセスして僕をダウンロードして」なんてな歌詞が出てくるけどあまり必然性のあるテーマとも思えないんだけどなあ...まあエロエロ路線を追求する一方でゴスペル調の曲を朗々と大まじめに歌うという彼のこと、あまり堅いことはなしというのが正しい聴き方なのかもしれないが。今回も自らのスタジオをベースにこつこつと作り上げただけあって楽曲クオリティはいずれも平均以上の出来で手堅く作ってあるが、前述の通りテーマは一貫して愛とセックスと女。その中で目立つのは先行シングルともなった亡くなった友のことや成功したにも関わらず満たされない自らの気持ちを吐露する「I Wish」や、アルバム最後を飾るお約束のゴスペル調ナンバー「The Storm Is Over Now」などが全体の中で巧まざるアクセントとなっている。でもねえ、何か全体的に今一つの感が拭えないんだよね。(阿多)
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R.
(1998, Jive) |

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3年振りに出たこの新作、はっきりいって買ってしばらくの間、何度か聴いては見たものの、今一入り込めなかった。2枚組の長尺というのもある。何回か聴いた際も1枚目の途中で鑑賞を中断されることがしばしばで(子持ちは辛いのである)、強力なインパクトを与えてくれる曲が耳に残ることもないまま、殆ど「イマイチ」の烙印を押していた。ところが改めて愛車のシステムで大きめの音量で聴いたら、驚いた。音の表情が全然違った。特に1枚目前半のパフィ軍団参加曲「Spendin' Money」や、サーフェスの「Happy」をモチーフにした80年代テイスト全開のトラックマスターズ・プロデュース「Only The Loot Can Make Me Happy」、フォクシー・ブラウンとの絡みも刺激的な「Dollar Bill」など、メリハリの効いたトラックが全体の中で弛れないように配されているあたりアルバムの出来としてはまずまずだ。しかしこのアルバムかのスピリチュアルな「I Believe I Can Fly」で幕を閉じるのだが、そこに至るまでの間アルバム全体を通じてモチーフ的に繰り返される拝金主義は何なんだろう。(阿多)
堂々30曲入りの2枚組大作。ここ数年ケリーと言えばスローで綺麗めな曲ばっかで、流石にこの調子で30曲続けられたらどうしようかと思った。が、1曲め、いきなりラップが絡むアップテンポのナンバー。2曲目も。ありゃ、3曲目も。4曲目でやっとスローが登場。しかも「さあ二人で子供を作ろうぜ、お前の体が欲しいんだ」という久々のエロソング。なぁんだケリーさん、我々の心配はちゃーんとわかってたのね。
途中、オペラの真似事やら、B級の寸劇やら、かなりまとまりのない作りではある。曲をもっと厳選して1枚にまとめれば凄いアルバムになっていたという声もある。私も同感である。しかし、この「やりたい事を全部やった」というバラバラ具合が、何ともケリーの人間くささを感じさせるのだ。「あー何でこういう作りにしちゃうのかな」と思ってしまうような不器用な人だからこそ、失恋ソングを歌わせたらタダならぬリアリティを感じさせるのだ。彼はもはや単なるコンテンポラリー・シンガーを卒業した。みんなが目標としているマーヴィン・ゲイに、今いちばん近いのは間違いなくケリーだ。(しんかい)
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