JUVENILE

PROJECT ENGLISH (2001, Ca$h Money/Universal)
ここでこのアルバムが買えます  マック10のCash Money移籍はスヌープのNo Limit移籍以来の驚きだったが、ジュヴィのCash Money離脱には本当に驚いた。 Cash Moneyというレーベルは、ウィリアムス兄弟が全部を仕切る、いわばワンマン経営の零細企業だ。実際には大手ユニバーサル傘下なので何でも好き放題ってわけにもいかないんだろうが、少なくともCash Money配下のアーティストに対しては絶対的な権力を持っているようだ。CDの売上げにしても、コンサートの収益にしても、とにかくオーナーの取り分が半端じゃなく大きいらしい。搾取される側のアーティストがこれに不満を持つのは当然のことで、最初に反旗を翻したのは、Cash MoneyのMC勢で年長で、誰がどう見てもその中心人物であるジュヴィナイルだった。本作を最後に、ジュヴィはCash Moneyを離れる。
 一応本作は今までのCash Money作品同様、マニー・フレッシュが全面製作。作品の質もなかなか高く、決してやっつけ仕事ではない。しかし「Sunshine」や「Be Gone」のようにジュヴィはどこ?という曲もあるし、どうもこのアルバムはジュヴィ自身が本腰を入れて、納得して作ったものではなさそうな気配が漂う。やや行き過ぎた例えだが、Death Rowが本人に無断でリリースしたスヌープ名義の「Dead Man Walkin'」に近い位置付けの作品なのかもしれない。
Cash Moneyの顔だったジュヴィの離脱は両者にとって超痛手だが、ここはポジティブ・シンキングが必要。No Limitを離れて大化けしたミスティカルのような、飛躍を期待しよう。(しんかい)
THA G CODE(2000, Ca$h Money/Universal)
ここでこのアルバムが買えます  CASH MONEYレーベルがブレイクするきっかけを作った男、ジュヴニールの4作目。まだ前のアルバム「400 Degreez」から「Back That Thang Up」がヒットしてるうちに、こっちのアルバムからの先行シングルもないままリリースされたので逆に消費者に混乱を与え、こっちのアルバムよりも「400〜」のほうが売れ続けてしまうという販売戦略的な失敗作を喫した(シングルは後に「U Understand」がR&Bチャートではトップ40入り)。
 確かに、前作の「Ha」や「Back That〜」に相当する存在感のある曲がないという点で、地味な作品だという評価は避けられない。しかしジュヴィの気持ちいいことこの上ないライム、野生動物的な天性のセンスの固まりであるリル・ウェインのカタいサポート、レーベルの顔であるジュヴィのために天才・マニー・フレッシュが用意した手堅いトラック群。悪い作品になろうはずがないのだ。この2年ぐらいの間にリリースされたCASH MONEY作品の中では、決して傑作と呼べる作品ではない。それでもなおこれだけのクオリティを誇るのだから、やっぱりCASH MONEYは凄い、と逆説的に感じさせてくれる作品。(しんかい)


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