JURASSIC 5

POWER IN NUMBERS (2002, Interscope)



 東のモス・デフやタリブ・クウェリらのローカス一派と対抗して、西海岸はロスのアンダーグラウンド・シーンから登場した90年代後半のネオ・ヒップホップを代表するグループの一つ、ジュラシック5。どちらかというとミニマリスティックでストイックなローカス一派に比べ、彼等のサウンドはDJニューーマークとカット・ケミストの作り出す、オールド・スクール・ソウルのグルーヴをぶっとい幹としてリッチな音像で全体のトーンを統一した、聴いていて体が自然に動き出すというか、昔からのソウル/ヒップホップファンなんかにはたまらない音だ。前作『Quality Control』も名盤だったが、今回はそのサウンドの作りが一層しなやかに、自然のフロウの中からグルーヴが生まれてくる、そんな風に仕上がっていて聴いてて快感度は高い。リリックはといえばもともと前作からやや哲学的な内容のものがいくつか見られたが、不可避的にポスト9-11を感じさせるような、個人の主権を主張し支配者の矛盾を糾弾する冒頭の「Freedom」や憎みあったり論議しあったりばかりせずに我々は仲間なんだから、と説く「If You Only Knew」といったコンシャスな内容も目に付く。もう一つの収穫はプロダクションが多様化していること。あのネリー・ファタードを迎えた「Thin Line」とか、ビートナッツのジュジュのプロデュースした2曲も、歓迎すべきバラエティとして楽しめた。ヒップホップファンでいて良かったね、と思わず顔がほころんでしまう一枚。(阿多)


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