ICE CUBE

WAR AND PEACE VOL. 1 (THE WAR DISC) (1998, Best Side LLC)



 純粋なソロアルバムとしては93年の『Lethal Injection』以来となる。この間,Cubeは映画に出演するだけでは飽き足らず『Players Club』では遂に監督業にまで手を出す一方,本業(?)の音楽活動は子分達に手を貸してお茶を濁す生活だった。本作の焦点はそんなCubeが90年代初めのような怒りをどこまで表現するかということになろう。直接的なアルバムタイトルはCubeらしい,とも言えるが,以前は平和という言葉を掲げるなど想像もつかないほど戦闘的だったことを考えるとこれだけでも大きな変化である。PEACE盤に登場するCubeにとっての平和の解釈が楽しみではある。音を聴く限りでは本作は「WAR」編ということもあってか不穏な雰囲気を感じさせる力のこもった内容だ。だが,ラップには,以前あった挑戦的でリスナーに迫ってくるものが減っている。バックの音を従えて一歩前に出るのがかつてのCubeだったはずだが,ここではサウンドに囲まれている印象がある。これはアルバムの中でCubeのラップの重要性が低下しているようでもの足りない。(信沢)


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